誤りから生まれるもうひとつの文学

作者 松平眞之

[創作論・評論]

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20,008

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 誤字、誤植、脱字、誤表現から生まれるもうひとつの物語。それを悪と取ってはならない。何故なら本来の物語から派生する更なる文学であるそれ等にこそ、真実は潜んでいるものだから。そう、誤りにこそ。

ファンレター

お気持ちお察しします。

 自分も最初の頃は、もっと頑張らねば、努力が足りないんだ、とか、一次落ちならばアルバイトの下読みが自分の作品を読み切れなかったのだ、とか思いました。で、落ち込むんです。時にはヘベレケになるまで呑みました。恐らく自分の方がそらまめさんより落選経験は豊富な筈ですし、大先輩の筈。で、ある程度落選を経験すると、今度は運がなかったのか、と、言うことを考え出しました。宝くじを外すようなものだ、と。そして遂に何時の頃からか気付くのです。文學賞を商取引に准えることを。例えば選考委員や編集者をバイヤーに例えると、我々投稿者は彼等が買い上げたい商品を創るメーカーになります。当然バイヤーは売れないと思ったら買いません。それが例え良いものであっても売れなければ上司に怒られるからです。で、あれば、彼等は売れる物を買わなければならないのです。それが良いものか悪いものかは二の次なんです。我々が職人魂を駆使してどんなに細密で見語な芸術品を創ろうが、市場に出して売れないものであれば、それは買い上げるべき商品ではないのです。ですから落選してひとつ言えることは、作品の良し悪しは別にして自分の書いたものは売れない、と、バイヤーに判断されたと言うことなのです。そのことに気付いて以後は自分が編集者になったつもりで、この作品は売れると思わなければ投稿しないことにしました。ですがそのことに囚われ過ぎると、書いていても詰まらないです。だからノベルデイズには救われました。何故なら自分が書きたいことが書けるからです。まあ、その代わり収入はないですが、それは仕方のないことです。売れるもの、つまり当選するものと、自分の書きたいものは絶対的に違います。そのことを考慮して投稿なさるよう、落選の先輩としてお薦めします。いつもコメントありがとうございます。

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