真夜中のキリンさん

[ホラー]

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6件のファンレター

八年前の夏、わたしが実際に目にした出来事です。
当時のメモが出てきたので、書いてみました。

※「背筋がゾクっとする話」かどうかわかりませんが、あえてアレンジは加えませんでした。下手にいじってはいけないような気がして……。

ファンレター

夜の闇に浮かぶ異形

いつもより少し温度が低めの南ノさんの滑らかな文章。
わたしも深夜に帰宅することがほとんどなので、馴染みのあるあの静まり返った夜の闇を思い浮かべながら拝読しました。
そうしたら、キリンが。
ここでにわかにヒヤリとしました。そこにあるべきでないものが存在する空間。緊張が走ります。日の光の下ではただの愛らしい無邪気な玩具のはずが、闇に浮かび上がると途端に異形と化す……怖いです。
しかも、おとなの靴まで。
その場に息を呑んで立ち竦む南ノさんのお姿が目に浮かぶようです。
これは日本でいうところの「精霊馬」のようなものでしょうか。亡くなったひとを迎えるための準備という意味では似ているように思いますが、玩具と靴というのが、なんだか妙に生々しくてゾクリとしました(>_<")

怪談は、短く淡々としたものや情報量が少ないほど怖い、と感じる気がするので、南ノさんの抑制のきいた文章がとても効果的で、読み終えたあとのヒヤリとした余韻まで堪能いたしました(*´-`)

返信(1)

桐乃さん、お読みいただきありがとうございます!
そうなんです、今回は意識的に少し抑えた文章というのを心がけてみました。「効果的」と仰っていただいて、とっても嬉しいです!(*^^*)

私が見たあのキリンですが…「精霊馬」!なるほど、確かにそういうものに近いのかもしれません。ただ、台湾の人に聞いてみても、ああいったもの(玩具や靴)を置くというのは聞いたことがないんだそうで…。
私の推測の部分に関しては、台湾人も「そうなの…かも」と言っているので、全然見当外れというわけでもないようなのですが、実のところ、私が見たものが一体何だったのかは、いまだに「謎」のままなんです…^^;

科学的な方法で謎を明らかにするのが推理小説なら、謎を謎のまま放り出すのが怪談――ざっくり言ってしまえばそうなると思うのですが、その意味であの出来事は、私が経験した数少ない怪談の一つと言えるかもしれません。
過分なお褒めの言葉の数々をいただきまして、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます!(*^^*)

追伸:
桐乃さん、お仕事の関係で深夜に帰宅されることが多いとのこと、本当にお疲れ様です。日本は治安がいい国ですが、夜道はやはりくれぐれもお気をつけ下さいませ。
暑さとコロナで、肉体的にも精神的にもストレスが非常に溜まる時期だと存じます。どうかご自愛下さいますように!