浮かぶ島弧を、浮かべないキーウィ―が旅する。
　生きづらい世界を渡り歩け。

【あらすじ】
　土地もヒトもアノマロカリスも浮かぶ浮島弧で、キーウィ―は唯一、浮かばない。
　キーウィ―の血を引く少女・フィーは、キーウィ―のように強くなる為、落ちるその身で地上約2~8000メートルの浮島弧を旅する。

　浮岩群を飛び石のように踏み、跳んでは着地、跳んでは雲頂を越えて着地、万が一踏み外せば雲の底まで落下する。泊まった浮岩が強風に流されれば、見渡す空に足場はなく、風に命運を委ねる。
　絶景。自由の風。命を繋ぐ浮岩の足触り。

　フィーは浮島弧を楽しんでいた。

　心配性のヒト・晴太や血気盛んなアノマロカリス・ギギがフィーを追うが、けしてフィーは彼らに依存しない。
　落ちないキーウィ―として、浮島弧を旅する。

【ピジン編】
　エピソード①　セピック・エアレース

　ヒクイドリとサイチョウのココモは古来よりいがみ合っていた。互いの飛翔能力を競い、毎年大会が開かれる。
　乱入したのは、浮かばない種族・キーウィ―だ。

　浮かぶ鳥、飛ぶ鳥を相手に、浮かべず飛べない少女が空を駆け抜ける。
　キーウィ―は、けして弱くない！

【補足】
　ピジン編　三つのエピソードを予定

　エピソード①のみ掲載。以後はまた指がのったら。
　計13項、約３万字。