七時十六分

文字数 355文字

 晴れのち曇り? 嘘つくな、バーカ。
 自分で靴を脱ぎ飛ばしておいて、(あたし)は盛大に毒づいた。怒りに満ちている訳でもないのに。この『よく分からない』性格こそ、私の私たる所以だと思う。もしも未来、合理的に判断できない人が淘汰されるなら、私は消えるほうだ。
 本日は久しぶりの雨。最近やたらに乾燥していたからか、すこし安心する。でも雨の日は、朝が暗くて段差が見えにくいのが難点。派手に転んで要らない恥をかかないように、のろのろと教室に向かった。左腕の腕時計が、なぜかホノルルの現地時間を示していたので修正しておく。
 席に着いて、机に数学の一式をならべる。昨日かえってきたテスト、そういえば確認がまだだった。高校からのコンパスおよび分度器の需要について真剣にひとりディスカッションしていると、朝課外五分前のチャイムが鳴った。
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