十時二十三分
文字数 333文字
十時二十三分
私にとって、英単語の小テストほど胃を痛めつけられるものはない。他のテストはそうでもないけれど。あれ? 先入観? なんて思う。綱渡りのようにテストに受かり、安堵して机に突っ伏した。
はっと、たった今、気づいたことがある。……どこを探しても、国語の教科書が見当たらない。
二分ほど冷静に考えて、隣のクラスの黒木さんに借りに行くことにした。人様に迷惑はかけるなとあれほど……あれほど……! 自身に言い聞かせて、軽く頭を小突く。
「国語の教科書? あ、あった。はい」
「ありがとう、昼休みに返しにくるね」
「わたしも、体育館シューズ借りていいかな?」
「どうぞ」
忙しい生活に、こういう癒しの時間を埋め込むのは、大切。
私にとっては、週一で映画を観ることくらい、大切。
私にとって、英単語の小テストほど胃を痛めつけられるものはない。他のテストはそうでもないけれど。あれ? 先入観? なんて思う。綱渡りのようにテストに受かり、安堵して机に突っ伏した。
はっと、たった今、気づいたことがある。……どこを探しても、国語の教科書が見当たらない。
二分ほど冷静に考えて、隣のクラスの黒木さんに借りに行くことにした。人様に迷惑はかけるなとあれほど……あれほど……! 自身に言い聞かせて、軽く頭を小突く。
「国語の教科書? あ、あった。はい」
「ありがとう、昼休みに返しにくるね」
「わたしも、体育館シューズ借りていいかな?」
「どうぞ」
忙しい生活に、こういう癒しの時間を埋め込むのは、大切。
私にとっては、週一で映画を観ることくらい、大切。
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