十五時二十四分

文字数 310文字

 イソップ物語のアリしかり、アッバース朝か何かを建てたマンスールしかり、備蓄の大切さをよくよく知っていたに違いない。さて、私は何が言いたいのでしょうか。あ、やっべ、芯が折れた。七時間目絶賛開催中、先生の気まぐれによる化学抜き打ちテストに為すすべもなく打ちのめされるこの状況。
「予告してなかっただろ、先生の鬼が」
「きのう習ったところだろ、文句言わずに合格しろや」
 いつも、復習をすこしでも、と心がけてはいるのに、私はちっとも就寝時間二十三時に漬かれやしない。とうに夢の中だ。……ああ、テストが終わったら、職員室からごっそりプリントを運ばなきゃ。テストに呻きつつ、A・Nの紙片を巻いたシャープペンシルをただ一心にノックした。
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