02 アクタ ~ いてほしかった「ピア・サポーター」

文字数 810文字

<キャラクター名>

アクタ

<投影タイプ>

ピア・サポーターの存在への願望

<解説>

 2人目の紹介は、ウツロの盟友アクタです。

 作中では自分を責めるウツロを献身的に支える、精神的な支柱として登場します。

 アクタはわたしにもそんな存在がいてほしかった、ただそばにいて、よりそってくれるだけでいい、そんな精神的な支えがほしかったという、願望の投影になります。

 いまふうに言えば「ピア・サポーター」ですね。

 アクタもまたウツロと同じく孤児であり、同じ境遇であるにもかかわらず、気丈にふるまって、ウツロを支えようとします。

 これは自分が苦しくても、ほかに苦しんでいる人を見つければ、つい助けようとしてしまうわたしの性分(しょうぶん)、「偽善」と呼ばれてもしかたありませんが、そんな精神の投影でもあるのです。

 アクタのような、自分を引っ張ってくれる存在がいてほしかった、その発露なのですね。

 ここからはネタバレになりますので、ご注意ください。

 アクタはウツロを助けるため、身を(てい)することになります。

 アクタを失ったウツロの喪失感は、計り知れない。

 しかしいっぽうで、アクタはその死によって、ウツロの中で永遠となり、精神的支柱であり続けるのです。

 とんだジレンマですが、アクタという存在があるからこそ、ウツロは窮地に陥っても、自分を保つことができるというわけです。

 心の中に生き続けるとは、ともすれば陳腐に取られるかもしれませんが、現実として、ままあることです。

 余談ですが、わたしには早世した幼なじみがいて、彼がときどき夢の中に現れ、何かを言いたそうにしているのです。

 もしかしたら、彼がわたしにとってのアクタであり、その気持ちを投影しているのかもしれません。

 自分のことが自分ではいちばん、わからないものですね。

 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

 みなさんのよりそいの心に、深く感謝いたします。

 それでは今回は、この辺で失礼いたします。
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