03 似嵐鏡月 ~ 絶対的「父性」の象徴

文字数 825文字

<キャラクター名>

似嵐鏡月(にがらし きょうげつ)

<アルトラ名>

ブラック・ドッグ

<能力>

巨大な黒獣(こくじゅう)(山犬)に変身できる

<キャラクター像>

 ウツロとアクタの父親代わり、だと思っていたら実の父だった似嵐鏡月。

 愛する女性を死に追いやったという「思い込み」から、二人の人生を奪うという選択をします。

 思い込みであることを、本当はわかっていても……

 似嵐家の次期当主として嘱望されるも、その重圧と必死に戦う日々を送っていました。

 父・暗月(あんげつ)から強要される厳しい鍛錬。

 そして、姉・皐月(さつき)の謀略によって、愛する女性「アクタ」を再起不能に陥らせられます。

 思索少年であり、血なまぐさいことよりも、ひとりで考えていることを好みます。

 しかし、生まれる場所は、誰にも選べない。

 「アクタ」を助けるため、マッド・サイエンティストの魔女グレコマンドラに魂を売り、結果として「アルトラ使い」となりました。

 醜い山犬の姿は、やさしい思索人間の蛮性の発露なのか……

 アクタとウツロを憎んでおり、特にウツロには弱い自分を投影して、その生き写しであるかのような彼に、はらわたが煮えくり返りそうな気持ちを持っていました。

 覚醒したウツロの手で敗北し、間接的にですが、人生を終えることになります。

 最後の最後に、「父」として。

 彼もまた、理不尽・不条理に弄ばれた存在だったのです。

<投影タイプ>

父性(ふせい)

<解説>

 わたし自身が持っている、実父への「絶対的な父性像」の投影になります。

 もちろん、父は鏡月とはベクトルの違う人物ですが、わたしが幼い頃からずっといだいている、「父を越えることなど、絶対にできない」という気持ちが作り上げたキャラクターであるといえます。

 鏡月を「自分自身に負けた、心の弱い父」としたのは、わたし自身が「父をなんとか越えたい」という願望の発露なのかもしれません。

 わたしの親父も亡き祖父に対して「絶対に越えられない」と述べていますが、誰にとっても父親・父性とは、そういうものなのかもしれません。
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