第2話

文字数 285文字

「小さい田んぼが、小さい田んぼじゃなくなっちゃう。そんなの、つまんない。」
「でも、そうしないと、颯真はごはんを食べられなくなっちゃうよ。」

そうかもしれません。
だけど、一度でいいから、あの、ふさふさした緑の稲の上で寝てみたい。
そうしたら、どんなに気持ちがいいだろう。
風が吹くたびに、さわさわと、稲の音が颯真の耳にまで届いてきます。

おうちに戻った颯真は、おかあさんが夕ごはんの用意をしているあいだに、こっそりと外に出ました。
そして、さっきの田んぼのところに行きました。

小さい田んぼに近づくには、田んぼの泥の中に入って行かなければなりません。

【続く】
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