第14話 無敗の騎士アーテルメラン
文字数 1,193文字
ああ、惨敗だ。
これでも私はかつて、無敗の騎士と呼ばれていたのだぞ?
それが見るも無残にボロ負けだ、情けないよ。
その時までは、私こそが国を守る盾であると自負していた。
ゆえに直轄の庇護下にあったオワリアの街は、
国境の最前線にありながらもよく栄えていたのだ。
しかしその盾が破られれば、民はオワリアの地を去る他ない。
私に力があれば、彼らが故郷を追われることもなかったのだ。
これでも私はかつて、無敗の騎士と呼ばれていたのだぞ?
それが見るも無残にボロ負けだ、情けないよ。
その時までは、私こそが国を守る盾であると自負していた。
ゆえに直轄の庇護下にあったオワリアの街は、
国境の最前線にありながらもよく栄えていたのだ。
しかしその盾が破られれば、民はオワリアの地を去る他ない。
私に力があれば、彼らが故郷を追われることもなかったのだ。
そうハッキリ言ってくれるなよ。
頭ではわかっているんだ、だけど認めたくないじゃないか。
結局彼らは、私が愛したオワリアの民は、
無敗の騎士アーテルメランの肩書きに敬意を示していただけだ。
負けてしまっては、ただの弱い領主。
一人の女であるこのアーテルメランに付き従う価値などないのだ。
頭ではわかっているんだ、だけど認めたくないじゃないか。
結局彼らは、私が愛したオワリアの民は、
無敗の騎士アーテルメランの肩書きに敬意を示していただけだ。
負けてしまっては、ただの弱い領主。
一人の女であるこのアーテルメランに付き従う価値などないのだ。