第4話 フィクションブック
文字数 713文字
うひゃひゃひゃ! おいそこのお前ら!
街に入りたいなら身ぐるみ全部置いていきなあ!
こんなステレオタイプの悪党もいるんすねー。
正直ちょっと引くっす。
身ぐるみ置いていけだってさ。
アニメでも最近ではあまり見かけないね。
古典的というか、感受性の欠片もないというか。
普段どんなもの食べてたら
ここまでモブに成り下がれるんすかね。
神様だコラァ! って言っても信じてもらえるとは思えないな。
冗談通じなさそうっすもんね。
冗談みたいな顔してるっすけど。
いたしかたあるまい。
ちょびっとだけ神としての片鱗を見せてやろう。
神器・フィクションブック!!!
ご覧のとおり、本だよ。神としての資格を有する者には、
最高神からそれぞれ一つ、神器と呼ばれるアイテムが下賜される。
例えば雷を放つハンマーだったり、病を治す魔法の杖であったり。
怠惰の神である私の場合は、この本というわけだ。
あーはいはい。神様になったらね。
相手待たせてるからチャッチャとやっちゃうよ。
千の世界、万の時代、億星霜の彼方より、
怠惰の神・ネヴェスの名において招聘する。
フィクションブックよ、そのページに新たなる名を刻め!
東国無敗とその名を知らしめた双剣の勇士よ。
我が剣となり、我が敵を屠れ!
ミヤモト=ムサシ!
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