ごはんのじかん

文字数 769文字

 朝4:30。
 私は炊飯器にお米をセットすると、コーヒーを淹れる。そして冷蔵庫をのぞく。えーと、何が入っていたかなぁ。前日の夜に「明日の朝はこれにしよう!」って決めている日もあるけども、今日は特に考えていない。
 冷凍の餃子とか、ハンバーグとかもあるけども、シンプルにハムエッグでいいかな。あと大根が半分あるから、水菜と一緒にお味噌汁にしよう。大根は鍋で煮てもあんまり柔らかくならないから、レンジでチンしてから入れないとね。あ、もやしが残っていたっけ。エリンギとソテーしよう。それとレタスをちぎれば上出来だよね。
 ……こんなものかな。コーヒーが入ると、ご飯が炊けるまで書き物をする。単なる趣味ではあるが、ご飯が炊ける時間になるまでのいい暇つぶしだ。
 5:30。
 そろそろ家族が起きる頃だから、その前にテーブルの支度。ウェットティッシュで拭いて、家族全員のお箸を並べる。
 コンロに水の入った鍋とフライパンを置くと、火を点ける。キッチンバサミで切った水菜を鍋に入れ、フライパンにはハムと卵を家族の分割り入れて、蓋をする。大根は包丁で皮を剥いて、いちょう切り。それをビニールの袋に入れるとしばらくレンジにお任せだ。
 お味噌汁になる予定の水菜が入った鍋がぐつぐつ。フライパンのハムエッグも音を立てている中、私は薄暗いキッチンに突っ立っている。
 こうやって朝、料理をすることは苦ではない。他の人……働いている人や子供がいる人だったらきっと大変だとは思う。でも、なんでだろうなぁ。私はこの一人の時間が好きだ。 多分きっと、家族一緒の食卓を囲むのを想像して楽しんでいるんだろうなぁ。
 料理がおいしいかそうでないかはわからないけど、私は食事を作っているこの時間が、一番家族を想像できて、幸せなのだ。
 足音が聞こえる。家族が起きてきた。
 ーーご飯の時間だよ。
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