第16話 夢かも知れない
文字数 275文字
家族にも恋人にも言えないこと
君が全部察してくれたから
どんな差別も
寒気がするほどの暴力も
笑って済ませてやれた
降り止まない雨がいつになく生ぬるくて
もうそんな季節かと 革靴の隙間に水が入りこむ
何かがわかったような気がして
何もわからないでいる
どうして誰も見破れないような
難しいウソついたの
愛し過ぎちゃいけない でも
人を丁度よく愛することは
誰もできない きっと
僕も俺もわたしも君もあなたも
友よ どうして誰も見破れないような
難しいウソついたの ついたの ついたの
実際 どんな宗教も
愛と綻びがある
誰も人を丁度よく愛せないから
どんなに深い愛情も 慈しみも
まだ夢の途中