第10話 ここから逃げる
文字数 494文字
殺人鬼に見つからず駐車場に戻ろうとしていたアマンダは、低木の茂みに身を潜めて様子を窺っていた。救助が期待できないならずっと隠れているだけなのは得策ではない。奴から完全に逃げ切るにはキャンプ場から遠く離れる、つまり車が必要だと考えたのだ。
マイケルはいつも車に鍵をかけず、サンバイザーに挟んでいることをメアリーに聞いて知っていた。
なので一刻も早く駐車場に戻りたかったが、今戻れば殺人鬼に見つかってしまう。
――とにかく見つからずに駐車場まで行ければ、きっと逃げられるわ。
さっきからずっと男女の絶叫が聞こえてくる。自分だけ助かろうとしていることにアマンダは罪悪感を覚えた。
だが、
――早くここから逃げ出して、この惨状を通報しなければ。あいつをこのまま野放しになんかしておけない。
Tシャツを通して細い枝が容赦なく肌を突き刺していたが、殺人鬼が駐車場から去るのを辛抱強く待ち続けた。
日がだいぶ傾いた頃、足音がして殺人鬼が目の前を通り過ぎ、設営地のほうへと向かっていった。
茂みの隙間から少しだけ顔を出したアマンダは、やつの姿がないのを確かめると、素早く飛び出して急いで駐車場に走った。
マイケルはいつも車に鍵をかけず、サンバイザーに挟んでいることをメアリーに聞いて知っていた。
なので一刻も早く駐車場に戻りたかったが、今戻れば殺人鬼に見つかってしまう。
――とにかく見つからずに駐車場まで行ければ、きっと逃げられるわ。
さっきからずっと男女の絶叫が聞こえてくる。自分だけ助かろうとしていることにアマンダは罪悪感を覚えた。
だが、
――早くここから逃げ出して、この惨状を通報しなければ。あいつをこのまま野放しになんかしておけない。
Tシャツを通して細い枝が容赦なく肌を突き刺していたが、殺人鬼が駐車場から去るのを辛抱強く待ち続けた。
日がだいぶ傾いた頃、足音がして殺人鬼が目の前を通り過ぎ、設営地のほうへと向かっていった。
茂みの隙間から少しだけ顔を出したアマンダは、やつの姿がないのを確かめると、素早く飛び出して急いで駐車場に走った。