第16話 不死身

文字数 342文字

「ひっ」

 薄暮に沈む玄関ホールに生首が一つ増えていた。ジョシュだった。
 そこにもう一体、死体が投げ込まれた。
 ジョシュの首を弾き飛ばして落ちた死体はケートの半身だった。
 こんなことをするのは、あの殺人鬼しかいない。

「あいつまだ生きてるの?」

 アマンダは声を潜め、トムの腕に(すが)りついた。

「不死身なのかもしれない」
「まさか――でももしそうなら、いったいどうすればいいの」

 ポーチの床板を踏む重い足音が聞こえ、玄関に大きな黒い影が立った。影は足を引き摺りながら中に入って来た。トムに刺された影響か動きが鈍い。

「窓から逃げるぞ」

 アマンダはうなずくと同時に急いで窓に走り寄り、トムに助けられながら窓枠を越えて外に出た。
 続けてトムも出てきて、

「あそこに隠れよう」

 二人は急いで廃納屋に走った。
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