NOW LOCK,BUT ROCK

文字数 497文字

世界の音楽が止まった夜、僕はひとつのことを考える。
この世界から音楽がなくなってしまうことを考える。

どうしよう。
どうすればいい?

音楽は生活の一部だ。
それこそ雨音や食器を洗う音も音楽だ。

でも、それだけじゃ僕は足りない。

開けた場所で、大きなスピーカー。
ガンガンと魂を揺さぶられる、あの感覚。

もうどのくらい感じていないだろう。

汗をかきながら拳を振り上げる、あの快感。
ミュージシャンと一緒に大声を上げる爽快感。

いつから感じられなくなってしまったんだろう。

僕は、このままあの感覚を忘れてしまうのだろうか。

そんなのは嫌だ。
それだけは嫌だ。
それは僕の死を意味するものだ。

拝啓、行方不明のミューズ。
僕の、僕たちの声は聞こえていますか?
僕たちの苦しみは伝わっていますか?
もう誰も悲しみたくないんだ。
試すような真似はやめてくれ。

今夜、僕はギターを鳴らし、星空の貴方に直訴します。
僕はいつか大きなステージで、まばゆい笑顔の花畑の前に立つ人間だから。

NOW LOCK, BUT ROCK.

逃げも隠れもしない。
この『今』を戦い抜いてやる。
僕たちは絶対にあきらめない。
何度だって立ち上がってやる。

それが僕らの蒼く燃える魂だ。
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