[ふしぎな薬草茶店][0,]

文字数 1,304文字

○おとぎ話もどき
高校生になって彼女が選んだバイト先は喫茶店の給仕係だった。理由は店主のお兄さんに一目惚れしたから。明治時代の古い木造建築を利用した店内は昔のレトロな喫茶店をイメージしたカウンターでカフェはもちろん店主で雇い主のお兄さんはその人の体調に合った薬草茶を出してくれる。ある日、その喫茶店の物置で彼女は鳥の形をした急須を誤って割ってしまう。しかし急須は本物の鳥になり(自称“ティーポットの妖精”と言うその鳥は)悪い魔法使いのいたずらでかけられた呪いが解けたと喜んだ。急須鳥は呪いを解いてくれた彼女には魔法を使う素質があるとお茶の国の王子と相談し「幸せのお茶」を煎れられる魔法を彼女に授ける。渡された木の小箱にはお守り袋に入った10種のお茶が入っていてこのお茶を困った人や悩む人に飲ませて幸せにすることができると宝石に変わるという。10個の宝石が揃うと悪い魔法使いがかけたもう一つのいたずら「お茶の国に帰れる扉」が開く事が出来て、王子は元の国に帰れると言うので彼女は協力する。そして10人に10種のお茶を飲んでもらって幸せに導いた彼女の活躍によって王子はお茶の国に帰れる日が近付く。ある日彼女は、急須鳥が話してる相手が店主のお兄さんで彼が実はお茶の国の王子だったことを知る事に。急須鳥は彼女の恋を応援してたがもうすぐお別れになってしまうと思うと告白できなくなってしまうのだった…そんな時お茶の国の扉が開きかけていた事に気付いた魔法使いは人間界へ忍び込んで来る。魔法使いと対峙し“急須に閉じ込められる魔法”が降り掛かりそうになった時、彼女を庇って王子がその魔法を浴びて簡単に割れない(簡単に解けない)“銀製のティーポット”にされてしまう。お茶国に逃げた魔法使いを追って王子を元の姿に戻すため急須鳥とお茶の国へ。消耗した魔法使いに対し王子の銀製ティーポットで10種のお茶をブレンドしたお茶を飲ませる事で魔法使いは力を失い王子も元の姿に戻る。王子の無茶をとがめた彼女だったが王子も本当は彼女に好意を持っていて守りたかったのだと告白される。このままお茶国の妃として彼女を留める事も出来たが彼女が人間界でより多くの人々にお茶を飲ませて幸せにする事が出来たら人間界とお茶国をつなぐ扉をさらに大きくする事が出来ると知った彼女は自分の人間界へ戻る。“きっと迎えに行くよ”と王子は言い約束の印として金のティーポットを彼女に授ける。…それから…ずっと後になって、彼女はお店にやって来る人を癒したり元気にしてくれる評判の喫茶店を営んでいた。ある日旅で疲れた様子の一人の男性がやって来る。出されたお茶で元気を取り戻した彼は鞄から急須と茶葉の入った袋を取り出した。それは珍しい鳥の形をした急須で彼女は昔似たようなデザインの急須を見かけたような気がした。彼は彼女に言いました。“お待たせ。君に飲ませたいお茶があるからここまで来たんだよ”そう言って鳥の形をした急須でお茶を入れると急須鳥の姿に。“さあお茶国の扉が充分開いたよ、君を案内したいんだ”彼女は微笑みました。“どんなお茶が飲めるのかしら?とっても楽しみね☆” 
おわる****
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