第31話

文字数 1,021文字

 だから……なんだか、とても命に危険なことのように感じるんだ……。
 
レベル 4 その3


 こんなところに……子供?
 何故……?

 私は不思議に思うが、3メートルもある扉を急いで開ける。
 中はまた薄暗い通路だった。
 だが、奥に半透明のドアがある。
 恐らく、また倉庫だろう。
 
 その時、

「お願い! 早く起きてよ! おじさーーーん!!」

 一瞬、私は耳を疑った。
 だが、やはりどこかに子供が確かにいるのだ。
 
 私は気が付いた。
 この人型機械は音ではなく。
 なにか他のもので、センサーが反応するのだろうと。

 つまりは、見えないのだ……。

 半透明のドア付近に人型機械が集まって来た。

「一体! どうしたの!? 大丈夫!!」

 私は大声でどこかにいるであろうその子に話し掛けていた。

「あれ?! やったー、ここには人がいるんだ! 女の人だよね! ガソリン男じゃないよねえ! お姉さん! こっちに来て! ここは半透明のドアの奥にある倉庫だよ!」
「わかったわ! そこで、じっとしてて!」
「早く来て!」

 私は音では探知できないはずだからと、けれども忍び足で人型機械の間を静かに通り抜けようとした。
 ゆっくりと歩いていたが、そこで重大なことに気が付いた。
 あ、そうだ!

「お姉さん! その機械の目の前! 見える場所に入っちゃダメだ!!」
「私も今気が付いたわ! ありがとう!!」

 半透明のドアまで、私は人型機械のセンサーがついた目線をかいくぐるため。すぐさま腹ばいになった。いわゆるほふく前進というやつだった。

 ウイ――。
 ウイ――ン。

 人型機械は左右や正面に首を振り警戒をしているが、一向に下へは顔を向かなかった。
 接触しないようにと、人型機械の下の絡まったコードや足には気をつけて前進する。

 私は物音がしても平気なので、盛大に前進する際に服の擦れる音を発していた。

 と、その時、たくさんの人型機械が左右を警戒する首の動きを止め。目であるセンサーをいじくりだした。

 キュ――ン……!

 不気味な音が辺りに鳴り響いた。
 一斉に人型機械が床を這いつくばる私の方。
 下方へと向きだした。

 全ての人型機械の拳銃になっている右手が私を狙う。
 私は恐怖で目を瞑った。 

 ガッシャ―――ン!! 
 カン! カラカラカラ……!
 
 盛大な音が半透明のドアの方から聞こえた。
 何か大きなものが倒れた音だった。

「な、何! 何なの!! 大丈夫?!」

 黒煙がドアの隙間からこちらまでくると同時に高熱が襲う。
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