第8話 秋田さんへ(引越、踏台、山川方夫、成功はゴミ箱の中に、一日店長) 

文字数 1,122文字

秋田さんへ

 お元気ですか。梅雨が終わり、いよいよ夏ですね。こちらは既に猛暑です。

【引っ越しの事】
 ペット可の物件に引っ越しして、猫を飼おうとしている、とのこと。
 猫様、ご降臨ですね。なんでも、ウェブで調べると、猫中心の生活になってしまうらしいですよ。猫が寝そべらないところに、人間がいてよろしい、と言う風になるとか。猫を飼ったら、是非、お写真を送ってくださいませ。
 あ、そういえば、昔の彼女が猫を飼っていました。ロシアンブルーの雌猫で、彼女が、たいそう、私のことを気に入ってくださり、遊びに行くと、もう、大変、かまえコールが連発され、いや、声じゃな無くて、仕草で、夜、眠れなかったですよ。彼女も、こんなに人を気に入ったの初めて見た、と驚いていました。

【踏み台】
 買って、早々に、ひざを痛めて、ヨガに切り替えた、とのこと。きっと、貴殿のことですから、いきなり、頑張りすぎたのでしょうね。家庭用踏み台で、膝を壊した人なんて、聞いたことありません。

【読書】
 山川方夫を読んだ、とのこと。
 そうなんです、彼の作品は、最後のどんでん返しが本当に秀逸で、他の作家の群を抜いています。あんな、構成を考えられるようになりたいものです。
 『成功はゴミ箱の中に』を読んでいる最中、とのこと。
 彼も、なかなかのめげない男ですよね。読み終わってから、気が付いたのですが、タイトルの、ゴミ箱の中に、にまつわる話が、ほとんど出てこないんですよね。まあ、競合のゴミをあさって、情報を収集し、それをどう活用したかは、大きな声で言える事じゃないので、詳しく書けなかったのでしょうね。

【バーの一日店長はいつ】
 東京では、感染者数が増加傾向にあり、例のバーの一日店長は、当分、実現しそうにありません。このままだと、クラウドファンディングしてあげたけど、やっぱり、潰れちゃうのではないかと、危惧しております。

【最後に】
 こちらでは、最近、ハーブを八鉢も買いました。梅雨で気が滅入ったので、ハーブの香りでリフレッシュしよう、と思ったからです。
 でも、それじゃ、効かないくらいの倦怠感に襲われたので、生薬が入っているユンケル黄帝液を買ってきて、毎日、飲んでいます。
 いやあ、植物の力って、凄いですね。倦怠感が吹っ飛びました。
 でも、一本七百円は高いので、どうしたもんか、と思っていたところに、閃いたのが、その生薬を栽培しちゃえばいいんじゃね、っていうことです。
 ということで、今、私の左横に、インヨウカク(淫羊霍)っていう、まあ、薬効はその字義通りなんですが、植物が鎮座しています。味は、無味です。効き目は、たぶん、あります。

またね
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登場人物紹介

相手のことをついつい考えてしまう人。ある時、文通こそ自分の長所を活かせる挙動ではないか、と閃き、実行に移す。架空の文通サークルで、お手紙を書きまくる毎日を過ごす。職業は、東京の世田谷区にある揚げ物屋を経営する会社の社長。

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