文字数 214文字

 人里離れて暮らす鬼は、人間の捨て子を育てていた。
 子を育てるため、鬼は人の嫌がる仕事を買って出た。蔑まれ忌避されながら利用され、稼いで飯を食わせた。
 そして鬼は、立派に育った子供を里へ連れて行った。
「この子は人間です。どうか仲間に入れてやってください」
 懇願する鬼に村長は言った。
「鬼を殺せば仲間と認めてやろう」
 鬼は子供へ刀を渡し、自分を殺せと促した。
 子供は刃を構え、村長に向けた。
「鬼とはこの者のことか」
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