#夏という文字を使わずに夏を表現する
文字数 212文字
怖いのが嫌いなのを知りながら、夜祭りのお化け屋敷に誘った彼。
私の機嫌の悪さを取り繕おうと、屋台にかき氷を買いに走る。
ひとり待つ心細さを持て余す後ろから、「ワッ!」と脅かしたもんだから、私は振り向きざまに絶叫した。
その声に驚いて、ひっくり返ったかき氷で濡れた浴衣の冷たさを、花火を見るたびに思い出す。
「あの浴衣、高かったんだから」
「何度も謝っただろ?」
「ケンカはダメッ!」
娘に諭され、私は夫と苦笑した。
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