処方箋
文字数 218文字
「具合が悪いのはいつから?」
「席替えがあってから」
「症状は?」
「胸が苦しくて、頭がボーッとして、顔が熱くなって……」
先生は眼鏡の奥から僕をじっと見た。
「あの……」
「いい薬があるわ。はい、処方箋」
渡されたのは、近くにオープンしたスイーツの店の無料クーポン二枚。
「使い方は、分かるわね?」
患者の背中を、看護師は不安げに見送った。
「フラれたらどうするんです?」
女医は事も無げに言った。
「免疫が鍛えられるわ」
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