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200字小説
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四季
文字数 214文字
「花が咲いたら、あの桜を見に行こう」
病室の窓の向こうの、青葉が茂る丘を指して、僕は彼女と約束した。花瓶の白百合に似た笑顔で、彼女は「うん」とうなずいた。
しかし、葉が木枯らしに散る頃に、彼女はひとり、空へと旅立った。
ひとり過ごす雪の夜。しんしんと積もる綿雪は、枝を白く彩った。
そして、木々が新しい色をまとう頃。
僕は約束の丘へ行った。
すると、彼女は待っていた。
桜の根元に静かに咲く白百合。彼女の好きな花。
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