文字数 514文字

古墳公園の芝生広場に着くと、夫は全力で走り出した。
息子もあとに続くがついていけニャい。
夫は広場の端までいってこちらに戻る途中で、追いかけていた息子とぶつかりそうにニャるとジャンプした。
びっくりするほど高く、だ。
息子は自分の上を飛び越えていく夫を見上げて笑い出した。
動き回っているうちに夫の耳はどんどんウサギ耳にニャっていった。
息子はついていくのをあきらめて待ち伏せを繰り返している。
ちょっと休んだらと声をかけても夫は鼻を鳴らすだけだ。
夫が動き回っているのを見ていると、私もそれを追いかけたい衝動がわき起こる。
じゃれ合いたい気持ちニャんていつ以来だろうか。
この高揚感はニャんニャのだろう。

この日一日、ずっと走ったりジャンプを繰り返し、夫のウサギ化はどんどん進んだ。
帰ることにはほとんどしゃべらニャくニャった。
ウサギには声帯がニャく、ウサギ化人間も発声器官が衰えて声を出すのが億劫らしい。
話しかければニャがい耳がこちらを向くので、私の話を聞いていることはわかる。
あまり返事しニャいというのは以前と変わらニャいから気にしニャいことにした。
ニャがい耳がこちらに向くだけで、以前のようニャ不満を感じニャいというのは不思議ニャことではある。
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