第7話

文字数 565文字

夏の高原、テントの蚊帳の中。
いや、ここには誰も来ないから、テント取っ払っちゃおうよ。
マットレスにペットシートを敷きつめ蚊帳を被せて準備完了。
満天の星空のもと。
僕らはまるで、獣になったみたいに、それでも人間だからこその歪んだ快楽の在り方を追求した。
いかにワンピストンでお互いイケるか?
ストイックでありながらも、開放感がインスピレーションをくれる。
僕はまるでブラックホールを隅から隅まで探訪してその秘密の鍵穴を見つけ出す様に。
未だどこかしら男性恐怖から薄目しか開けられなかった松さんは、星明かりに目を開き、僕と、その後ろに広大な宇宙を見た。
熱を冷ます夜風、虫の音を松さんのクチュクチュ音が完全に遮断した時、

みつけた

鍵穴に挿し込む。
すると、無限だったブラックホールは一気に収縮し、栽培エノキの形に沿って、その密度を高める。
鍵穴のいちばん奥、ワン、ツー、スリー
一気に引き抜く。
同時にふたりの放出したエネルギーが、外で交わる。
選択と集中。
最大効率の為の、気の長い積み重ね。
僕は、松さんとの修練の最後のこの夜、30分程のパッケージに収める事に性交、いや、成功したのだ。
ふたり、並んで余韻を味わったあと、歓喜の涙。
抱き合い、泣き笑い。
これで僕ら、各々目的に向かって進めるんだ!
卒業だね。
長いようで、すぐだったね。
ありがとう、そして、おめでとう。
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