第18話

文字数 498文字

そんな事があってから、僕は紫明の遺作「トテ子」を読み返した。
そして予想された展開は、僕が種馬的に少子化対策の切り札になるか、もっと巨大な陰謀を陰で進める為の捨て駒になるか。
しかし、現実?はそのどちらでもなかった。
僕は結布ちゃんが好きだったから、毎日子づくりに励んだ。
そんな中聞いた話。
松さんはメルカリの空やり取りでハセガー教授と通じながら、表向き政府の秘密組織の窓口となると云う危険な綱渡りをしていた。
もちろんハセガーゼミとして、理想社会を実現する為。
奈良くん以外のタケちゃんズとも、既に活動を共にしていた。
政府の秘密機関は「離婚対策室」と名付けられ、現状の婚姻制度を維持する為のガス抜きが主な仕事だった。
その切り札として、僕らタケちゃんズは前線に立たされた。
文字通り立たされた。
松さんの「理想社会の実現の為よ」の言葉に、僕以外のタケちゃんズは任務に邁進した。
しかし、僕は違った。
壊れた家族。
そこに育った。
だから、絶対に壊れない家族を作りたかった。
結布ちゃんと。
それだけの彼女への愛を持ってるんだ。
他の女となんか、会いたくないんだ。
ずっと結布ちゃんとふたりで部屋に閉じこもって愛しあってたいんだ。
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