第5話

文字数 252文字

言いながらハッカ太郎は、拓人に向けて亀仙人のように片手を突き出しました。その手からものすごい強風が吹きだし、拓人を襲いました。

「わあああああああ!」

大嫌いなハッカのにおいのする強風に巻かれて、拓人は息苦しさのあまり、床にうずくまりました。そしてそのまま、気を失ってしまいました。

目を覚ますと、部屋中にハッカのにおいが満ちています。
ハッカ太郎は?
あたりを見回すと、もう、その姿は消えていました。

……ハッカ太郎のたたりだ!

拓人は青くなって、洗濯物を干していたお母さんに駆け寄りました。
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