(四)-2

文字数 243文字

 それにならう形で、三人のコントも床から二メートル以上高い位置からたらいを落としていた。
 今回も同じように、しかし金だらいの代わりに半分に欠けたコンクリートブロックを使うのだ。
「よし、やるぞ」
 古山は言った。
 いよいよ練習が始まる。コントが終わりに近づき、最後のボケのセリフから始めることになっていた。
 そして古山は最後のネタのボケのセリフを言おうとした直前、萩野が「ホンマにええんか」と古山に声を掛けた。
 古山は心の中では無論だと大声で叫んでいたが、それは口には出さなかった。

(続く)
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