(二)-11

文字数 291文字

 審査員たちが順番に札を上げて点数の書かれた札を挙げていった。十人いた審査員の全員がそれぞれ一点の札を上げた。
 端の女性が「何かコメントある人は、いらっしゃいますか?」と審査員に尋ねると、反対側の端にいた初老の男性が手を挙げた。
「では糸井先生、お願いします」
 司会の女性がそう言うと、「糸井先生」と呼ばれる男性が話し始めた。この男性はコピーライターを本業としてテレビプロデューサーとしても有名な糸井十三里(とみさと)氏であった。この「笑いの学校」でも非常勤講師を勤めており、古山たちも何回か講義を受けたことがあった。その糸井十三里氏が、今回のお笑いコンテストに審査員として参加していた。

(続く)
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