第3話

文字数 1,089文字

トゥルーロマンスのメンバー綾(銀髪に赤のメッシュを入れたコ。ボイン)と莉子(緑髪のボブのコ)と里咲(紫色と水色のハーフな髪色にツインお団子ヘア。Dカップくらい)が私の唯一のオリジナル曲「ダイナマイトにSHAKE」をカバーしてくれた。

ダイナマイトに
SHAKE SHAKE(シェイクシェイク)
ソーダを振ったら
夢が飛び出すよ
行くね?行くよ?サンハイ
オワラセナイト
終わらせないよ

トゥルーロマンスのパフォーマンスが終わり、「次はユニコさんの番だね。がんばって」と綾。
「応援してるです」と莉子。
「私のためにここまでしてくれてありがとう、さすが元軽音楽部。歌上手すぎる。
Xで自分でオリジナル曲もカバー曲のアレンジもしてるって言ってたけど本当なん?
楽屋で聞かせて」と里咲が言う。

そして私はトゥルーロマンスの曲を独特なロックアレンジにてカバーした。
数年ぶりにギター弾いたから不安だったけどまあまあ上手く録れてる伴奏。

ライブが終わり、楽屋で地下アイドルの苦労について語り、打ち上げの席。
綾が鬱陶しそうな声で言った。
「どーする? 菊田プロデューサー来るってさ。私の胸ジロジロ見てんのまるわかりなのよね〜」
「ボクなんかはあまりPの性癖を刺激しないのか、なぜかあんま胸とか視線感じないっす」

「まあ美月さ、いやユニコさんがいるから暴走できないでしょ」と里咲。

「はぁ〜、最初はマジメな人かと思ったのにね」と綾。
「里咲ちゃん、けっこう本当は大人しい子だけどなんかPに悪いことされてないですか?」と核心を突く莉子。

里咲ちゃんは一瞬気まずそうな顔をして「別に、特には何もないよ」とウソを言ってみせる。

そうこうするうち、今回のターゲットのお出ましだった。
ドレッドヘアのレゲエな見た目の菊田P。
「ふぃー。おつかれちゃーん。あれ、見かけない顔がいるな。新メンバー? なんつってね。キミがユニコくんか。
どう? うちのユニットに入らない?」
私はわざとけしかけてみせる。

「うれしい誘いですね。ここじゃなんですから静かな場所で菊田Pと話がしたいです」
鼻の下を伸ばしながら菊田は言った。
「じゃあ先に名刺を渡しとこうかな。……いや、後で2人で会う時に渡すよ。
う〜ん、ユニコくんはもう僕と2人でどこか行ける?」
私の術中にハマった。

「ええ、行きましょう。
何か美味しいお酒でも飲みたいな」

私が菊田Pに手を繋がれ、居酒屋を出ようとすると里咲がそっと駆け寄り耳打ちした。
「お酒によくわからない薬みたいなの、入れてるかもなので本気で気をつけてください。
私、美月さんに犠牲になられたら死にます」

ふふ、演劇部の底力見せつけたるねん。
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登場人物紹介

穂柄美月。

いて座のO型。

マルチクリエイティブな才能に長ける。

美咲。

美月の親友でナゾの自殺を遂げる。

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