第5話
文字数 459文字
ママの怒りが落ち着いたのは、日付が変わった頃だった。父親の顔はボコボコで、さすがに可哀想だったので、氷枕を作って冷やしてやった。父親は、美月は優しいなと言いながら、ぼろぼろ泣いていた。
それから、雄一に電話をかけた。寝ているところを起こしてしまったのか、彼は眠そうな声で電話に出た。
「もしもし」
「雄一、今日はごめんね、怒って帰っちゃって」
私はそう言った。
「いいよ、俺も悪かったし」
雄一はむにゃむにゃしながらそう言った。
「私ね、雄一のことが好きよ」
私はそう言った。これは本心だった。雄一はしばらく黙ったあとで、
「ありがとう」と言った。「でも、俺は今すごく眠いんだ。だから、明日会った時にもう一度言ってほしい」
私は思わず笑ってしまった。
「わかった。明日また言う」と私は言った。それからおやすみを言って、電話を切った。
それ以来、父親はずっとうちに居ついてる。昼は日雇いの仕事に出て、夜はママの内職を請け負っている。これからはボロ雑巾のようにこき使って、これまでの生活費を全部稼がせるのだと、ママは意気込んでいる。
それから、雄一に電話をかけた。寝ているところを起こしてしまったのか、彼は眠そうな声で電話に出た。
「もしもし」
「雄一、今日はごめんね、怒って帰っちゃって」
私はそう言った。
「いいよ、俺も悪かったし」
雄一はむにゃむにゃしながらそう言った。
「私ね、雄一のことが好きよ」
私はそう言った。これは本心だった。雄一はしばらく黙ったあとで、
「ありがとう」と言った。「でも、俺は今すごく眠いんだ。だから、明日会った時にもう一度言ってほしい」
私は思わず笑ってしまった。
「わかった。明日また言う」と私は言った。それからおやすみを言って、電話を切った。
それ以来、父親はずっとうちに居ついてる。昼は日雇いの仕事に出て、夜はママの内職を請け負っている。これからはボロ雑巾のようにこき使って、これまでの生活費を全部稼がせるのだと、ママは意気込んでいる。