第1回評価 ~【お迎え編】で得られた効果について~

文字数 1,646文字

先にも記した通り、これはP氏の成長記録であるのと同時に、僕がP氏から得られた癒しの効果、いわゆるアニマルセラピーの実践記録でもある。
今後も途中途中で、僕がP氏から得られた心身の変化なども記していきたい。

ここでは、P氏を家に迎える前までの時点で得られた効果を記す事にする。
今回は評価が初回となる為、アニマルセラピーの概要についても簡単に載せておきたい。

【アニマルセラピーとは】
※Wikipediaなどからの抜粋と、自分なりの考えを加える。
アニマルセラピーとは、動物と触れ合わせることでその人に内在するストレスを軽減させたり、あるいは当人に自信を持たせたりといったことを通じて精神的な健康を回復させることができると考えられている手法である。
アニマルセラピーの効果として、以下の3点が挙げられる。※今回の場合は情緒水準の高い哺乳類をセラピー動物とした場合の効果とする。

➀生理的効果…動物と接していると楽しいという感情になり、副交感神経が優位になる。いわゆるリラックス状態。また、それによるバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸など)の安定。動物に触れた際に感じる「あたたかい」「やわらかい」「フワフワしてる」といった手触りの良さや心地良さも含まれると考える。

②心理的効果…動物と接した時の楽しい感情が日常生活の中で増えると、抑うつ状態の改善に繋がる。「動物と触れ合いたいから学校へ行こう」「犬と散歩したいからリハビリを頑張ろう」など、前向きな気持ちになる。生理的効果が起因している心理的な変化と考える。

③社会的効果…動物への話しかけや、動物の話題を通して会話が増える。動物を通して他人とのやり取りが生まれるなどのコミュニケーションの拡大に繋がる。

今後も、上記3点に対する効果を中心に評価していく。
初回となる今回、P氏を迎える準備の段階で早速僕が得られた効果を記す。

【評価】
➀生理的効果及び②心理的効果
→まだP氏を迎える前の為、実際に触れ合う事は出来ていない。それでも写真や動画でP氏を繰り返し観る事により癒され、お迎えの日を心待ちにする心境の変化が見られた。

③社会的効果
→お迎えに至るまでの期間で最も変化が見られたのは社会的効果だった。
早い話が情報収集の際に他者との会話が増えた事だ。P氏を迎えるにあたって会社の先輩や同僚にアドバイスをもらう為に、自分から「犬を飼おうと思ってるんですけど――」と、話しかける機会が増えた。普段から仲が良くない、会話が少ないといった事はなかったが、犬に限定せず"家で動物を飼う"という共通点から猫を飼っている人とも会話の機会が増えた。それをきっかけに会話が弾む事も多く、仕事に対する憂鬱感(普段からそう多くはない)が減少したように感じる。
家庭内においても、P氏を迎える準備の相談など話題が増えた事で、家庭では無口な自分としてはずいぶん口数が増えたと考える。

【考察】
前にも記したように、P氏を迎える事への不安は尽きなかったが、その裏ではP氏を迎える事を心待ちにしている自分も存在していたことが伺えた。
社会的効果が特に多かったのは、家で動物を飼う知識がほぼゼロの状態だった為、他者へ求める助言の量も必然的に多くなった為と考える。どんな些細な情報でも参考にしようと、「どこの店で迎えた?」「病院はどこに通っている?」「フードはどんなものを買うといい?」「通販はおすすめ?」など、基本的な質問を複数人に繰り返した。その人達とはその後もペットトークをする事が出来ており、仕事の同僚以外の新たな繋がりを作る事ができた。
"共通の趣味"と記すと語弊があるが、これまでそういった繋がりを持つことがなかった(共通の趣味仲間が居なかった)事もあって、同じ熱量で話ができる相手が出来た事は精神的にも嬉しい事だった。そういった意味では心理的効果もあったものと考える。
今後、P氏を実際に迎えた事で、生理的な面での効果も期待しつつ、【お迎え編】を締めくくりたい。
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