第６話

　どれくらいの時間が経過したのだろうか。
　激しい雨を感じて意識を取り戻した俺は、ふらつきながらゆっくりと立ち上がる。確認するまでも無く、すでに人間の姿に戻っていた。当に三分は過ぎているので当然だった。
　周りは核爆発の影響で草木は完全に消滅しており、空はまるで夜中のように黒く厚い雲が広がって、漆黒の雨が滝のように激しく叩きつけている。まさに死の島としか言いようがない。
　湧いてくる怒りを抑えることは出来なかった。
　もう何年も人類の為に怪獣たちと戦ってきたこの俺が、こんな仕打ちを受けるとは。
　悔しくて涙がこぼれ、額を地面に擦りつけながら握りこぶしで何度も殴りつける。拳に激しい痛みを感じ、血で真っ赤に染まりながらも、俺はその行為を止めようとはしなかった。
　俺は再び変身すると、島の中央に穴を掘り、その中に身を沈めた。もう人類の平和に貢献しない。かといって故郷の星にも戻れない。
　虚ろな表情で穴の中に横たわると、ここで生涯を終える覚悟を胸に、静かに瞳を閉じた。