第5話
文字数 671文字
日本を飛び立ってから三十秒ほどで島群を視界にとらえた。怪獣が現れたというモロキオ島は半径一キロほどの小さな島で、島民はおらず、完全な無人島のはずだ。この島だけではなく、周囲五百キロにわたって、人の住む島は存在しない。
何故こんな辺境の地に?
俺は疑問を抱く。これまで無人の地に怪獣が現れるなどありえなかったからだ。
いざ島に降り立ち、辺りを見回してみる。が、そこに怪獣の姿は無かった。それどころか島の木々は青々と茂っており、なぎ倒された形跡どころか足跡さえ見当たらない。
つまり怪獣が出現したという情報はフェイクだったのだ。
俺は嫌な予感がした。これがただの誤報なら良いのだが、もし仕組まれたものだったとしたら……。
ふと、胸騒ぎを憶える。
ネットの情報によると、日本政府を始め世界各国がキョセイBの力を恐れているという。
今は怪獣退治に従事しているが、怪獣と互角以上の力を持つ彼が、ひとたび人類に反旗を翻したら……もしどこぞのテロ組織と手を結び、どこかの国に攻め込んだら……。
その可能性を国連で協議した結果、秘密裏にキョセイB抹殺計画が進行している、との話だ。
そんなつもりは毛頭無いのだが、それを伝える術は無い。仮に伝わったとしても、信じてもらえるか疑わしい。
不穏な気配を感じ取り、上空を見上げると、黒い点が見て取れた。すると爆音と共に、その黒点がみるみるうちに大きくなっていく。
ICBMだ。
そう確信した途端、真っ白な光に視界が遮られると、全身が激しい炎に包まれる。それを三回ほど繰り返したところで、記憶がぷっつりと途絶えた。
何故こんな辺境の地に?
俺は疑問を抱く。これまで無人の地に怪獣が現れるなどありえなかったからだ。
いざ島に降り立ち、辺りを見回してみる。が、そこに怪獣の姿は無かった。それどころか島の木々は青々と茂っており、なぎ倒された形跡どころか足跡さえ見当たらない。
つまり怪獣が出現したという情報はフェイクだったのだ。
俺は嫌な予感がした。これがただの誤報なら良いのだが、もし仕組まれたものだったとしたら……。
ふと、胸騒ぎを憶える。
ネットの情報によると、日本政府を始め世界各国がキョセイBの力を恐れているという。
今は怪獣退治に従事しているが、怪獣と互角以上の力を持つ彼が、ひとたび人類に反旗を翻したら……もしどこぞのテロ組織と手を結び、どこかの国に攻め込んだら……。
その可能性を国連で協議した結果、秘密裏にキョセイB抹殺計画が進行している、との話だ。
そんなつもりは毛頭無いのだが、それを伝える術は無い。仮に伝わったとしても、信じてもらえるか疑わしい。
不穏な気配を感じ取り、上空を見上げると、黒い点が見て取れた。すると爆音と共に、その黒点がみるみるうちに大きくなっていく。
ICBMだ。
そう確信した途端、真っ白な光に視界が遮られると、全身が激しい炎に包まれる。それを三回ほど繰り返したところで、記憶がぷっつりと途絶えた。