(三)-3
文字数 206文字
小波渡記者がそう言い終わると、イヤホンから「小波渡さん」と女性の声が聞こえた。局のスタジオにいる新屋アナの声だった。
「小波渡さん、これから採決が始まるのですか」
「はい、そうなります」
「小波渡さん、寒川です。採決はもう終わったのではなくて、これからなんですね」
小波渡の耳に男性の声が聞こえた。
「はい、そうです。これからです」
「それでは記名式投票になったということですか」
イヤホンの中で寒川の声が問う。
(続く)
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