第29話

文字数 443文字

 それではどうしたって、嫌われる訳である…当然ながら。

 ただ、彼の場合特に、加藤清正やら福島正則やら、同僚というか仲間というか、同じく秀吉のいわゆる「子飼い」の仲間達に徹底的に嫌われたという話が有って、此の辺りは人間という物、人情という物の、仕方ない流れかもしれず…。

 確かに、秀吉の「子飼い」仲間という言い方は出来るかもだが、いわゆる「七本槍」の面々と三成とでは、年代や経緯が、違う訳である。
 清正達は、秀吉がまだ、かなり下級の身だった頃に何となく転がりこんで来て、雇われる…というにはまだ秀吉の方も、給料を出すという程の力は無い状態、御飯だけは食べさせて貰い、寝泊まりだけはさせて貰うといった所で、「家来」というよりも「子分」といった感じに、貧しい時から苦労を共にしつつ頑張って来たらしい。
 三成は、比べれば秀吉が既に十分、大物に成ってから仕えた訳で、確か、長浜の城主に成った時だったかと思うが。
 「天下人」から言えば些細な水準かもしれないが、「城持ち大名」である。
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