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文字数 748文字

 最近は面倒になったのか、電話が掛かってくる。

「何月、何日、何時、何分何処いた?
アリバイは大学か・・・。君あまり目立たないから証拠にならないな。犯人捕まるまで県外、国外に出ないでね」

と言われる。
 俺は常に犯人扱いか!と暇つぶしに、自分から交番に出向いて。コーヒー飲みながらアリバイを書面に書きにゆく。
 最早、この手の書類も書き飽きた。
いや、達人クラスだ。
時系列と、一緒にいた友人の名や場所、何時入り何時出たか、その他。
まるで警察調書だった。
これなら警察官という道もあるな、と思ったら。

「ダメダメ、警察官から犯人出せないから。
国民が煩いんだよ。多分、書類審査で落ちるから、無駄だよ」

と言われた。
 何てコッタイ!法治国家!
こんな酷い事を放置するのか!
正に放置国家だな・・・。上手いかぁ〜?
 そんなある日、常連となった近くの交番で暇を潰そうと、

「何か、事件有りました〜?」

と陽気に交番に入ると。騒然としていた。
 うん?事件の臭いが。既に私は小説の中の、探偵気分だった。
 因みに事件の概要も、捜査状況も民間人には、一切教えてくれない。
私は単なる容疑者、特Aなのだ。
いつか何かやると思ったよ、とお巡りさんは、思っているのかも知れない。
 何だか俺は、犯罪者になるのかなと、最近は思ってしまう・・・。
いかん!いかん!
この負のスパイラルを断ち切らなければ!

 と、まあ楽天家の私は、何となく適当に暇を潰していた、交番で・・・。
私は、これはテレビドラマの様に、捜査資料を盗み見するかな?
と年嵩の来年定年退職の、おじさんお巡りさんのデスクを覗いた。そこには・・・。
 コンビニで職質したら、茶色い包みを落として逃げた若い男。20代から30代中肉中背、短髪、黒い上着、紺のスラックスとあった。
 またか・・・。俺は項垂れた。
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