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文字数 753文字

 すると、フフフと笑い。斎藤さんは、

「お前さんが、何で情報を手に入れられるか、分かるか?」

 俺は突然の質問に、答えを言えないでいた。
更に斎藤さんは、

「あそこは、麻薬課の連中が3ヶ月も前から、マークしてたんだ。それなのに店長は、尻尾を出さなかった。なのに常連とは言え、お前さんには心を許して、物を見せてしまった。
何故だと思う?」

 この人何を言ってんだ?
俺が悪の組織の一員とでも言いたいのか?

「そんなの分かりませんよ。
偶然と言うのは、あるでしょ。人は秘密を持ち続けるのは、辛いですから。
ふと、気が抜けたんじゃないんですか?」

 斎藤さんは食べていたホークを置くと。
コーヒーを飲みながら。

「そうだ、そこだよ、そこなんだよ!
お前さんの事は調べさせてもらった。大学の事や好きな女の子、立ち寄るコンビニ、スーパー、飲み屋、定食屋から家族構成までな」

「ひ、酷いな。個人情報でしょ!
勝手に・・・」

「しょうがないだろう。お前さん何度も容疑者に上がるんだから。こっちも、毎回調べるの、面倒なんだよ。1回精密に調べときゃ楽だろ。
大丈夫、外へは漏れないよ」

「う〜ん、」

 俺はビールのお代わりを頼んだ。
何となく国家権力を笠に着た、斎藤さんの暴挙に思えてきた。
しかも普通の大学生に対して。
そりゃないでしょ、と言いたかった。すると、

「お前さんは目立たない。そして普通だ。
だから容疑者になる。そして、人に特に関心を持たれない。だからコンビニの店長は、お前さんの前で、あんなポカをしたんだよ。
人畜無害で、何の関心を相手に示さない、
と感じてしまうんだ」

「良い人!と言う事でしょ。
危ない感じが全くしない普通人。そんな人、
世の中に沢山いますよ」

「そうかもな。でもお前さんは特別だ・・・
と思うよ。そこでだ」

 何だ何なんだ?
何だか嫌な予感がしてきたぞ。
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