カルロス・ルイス・サフォン氏死去

文字数 983文字

2020年、6月22日のブログより

 今朝何気なくmixを見ていたら、スペイン人作家のカルロス・ルイスサフォン氏が亡くなられたというニュースが出ていました。氏はアメリカ在住で数年前から癌を患っていたそうです。享年55歳、自分より若い作家が亡くなられたということはかなりショックでした。

 忘れられた本の墓場シリーズの第1巻目、「風の影」を読んだのは10年以上前になりますが、その時の衝撃は忘れられません。後半はほぼ1日で読み終えてしまい、いつかこの人の本をスペイン語で読み物語の舞台となったバルセロナに行ってみたいと本気で考えました。

 その後「天使のゲーム」は日本語、「天国の囚人」は英語版で読み、シリーズ最後の「精霊たちの迷宮」(日本語訳は出ていないので自分で仮につけた)はスペイン語版を購入しました。最終巻は今までの本に比べてもかなり長くて900ページ近くあり、私はまだ130ページ目くらいを読んでいます。英語版やスペイン語版は日本語版と違って1日で読むなんてことはとてもできませんが、それでもこの人の本をスペイン語で読みたいという夢は叶えているわけです。

 作者のカルロス氏に会えるチャンスが数年前に1度だけありました。スペイン文化会館での講演会があるということをmixのファン仲間から教わり、その頃はまだスペイン語は習っていなかったので急いでスペイン語の入門書を買って挨拶だけでも覚えようとしました。残念ながらその時カルロス氏は体調が原因で日本に来ることはできず、その日はファン仲間と一緒にスペイン料理を食べて本の内容を話すオフ会をしました。

 カルロス氏と直接会うことはできなかったけど、この時の経験からスペイン語を学びたいという気持ちが高まって数年後スペイン語を学び始め、偶然ミゲル・セルベートのスペイン語の本を手に入れたことで後にスペイン旅行も実現させた、カルロス氏の本が私をスペイン語とスペインへ導いてくれました。

 忘れられた本の墓場シリーズは「風の影」「天使のゲーム」「天国の囚人」と3巻までは日本語の翻訳本が出版されていますし、数年の間にきっと最終巻も出版されると思います。本を読む楽しさをこれほど強烈に教えてくれる本も珍しい、ぜひ多くの人に読んで欲しいです。

 そして素晴らしい本を書いてくれたカルロス氏に感謝し、冥福を祈りたいと思います。



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