第5章(1)

文字数 1,197文字

 2021年7月19日のブログより

 この本の第5章はかなり長いです。第4章も長かったけど第5章はそれ以上に長く、読み終わるまでに時間もかかります。今までは1章ごとに感想を書いていたけど、この方法だといつ第5章が読み終わるかわからないので、途中で区切って感想を書くようにします。

 第5章はある人物の衝撃的な牢獄体験から始まっています。その部分を読んだのが去年の11月、そして今7月に『12』まで読み終わってこれで第5章の3分の1くらいです。

 牢獄体験についてはこの本のシリーズの『天国の囚人』を英語で読んでいるのですが、牢獄の怖さを実感するのはスペイン語が1番だと思いました。牢獄の薄暗くじめじめしていて悪臭がただよう様子はとにかくスペイン語で読むと実感が半端ないです。さらには拷問のやり方までリアルに想像できてしまいます。スペイン語というのは小説を書くのに適した言葉だと思いました。

 第5章はバルセロナが舞台になっています。第4章と同じように主人公の女性アリシアが警察と一緒に大臣失踪事件の調査をしています。マドリッド近郊に住んでいた大臣がボディーガードと一緒に車で出かけたままいつまでも戻ってこない、その車がバルセロナで見つかったということで、今度はバルセロナでの調査が始まります。

 アリシアは子供の頃バルセロナに住んでいて内戦で家族を失い、さらに空襲で自身も腰に大けがをします。苦労して育ちますが天性の勘の良さがあり、ある人物のところで探偵のような仕事をしていました。バルセロナに到着した彼女は昔住んでいたピソに帰ると、管理人がきちんと部屋を整えて待っていてくれました。ピソのすぐそばのなじみのカフェで朝食を食べ、アリシアは1人で調査を続けます。

 バルセロナはこの本のシリーズ『風の影』の主人公、ダニエルやフェルミンの住んでいる街です。すぐに彼らに会って話が進んでいくと思いきや、なかなか彼らには会いません。カフェで店員と話をしたり、バルセロナでの昔の体験を思い出したりして第5章の『12』まで読んで今のところアリシアが会って話をするのはグスタボさんくらいです。『センペーレと息子書店』のすぐそばまで行くのですがアリシアはカフェの中から店を観察して、ダニエル(怪しい本屋の息子と彼女は思っている)とベアがイチャイチャしているのを見るだけです。

 物語の大きな鍵となる本についてもグスタボさんと話をするだけで事件とどう関係があるかはまったくわかりません。ただその本がコレクターの間で高値で取引されているということがわかるだけです。

 舞台がバルセロナになり、いよいよ謎が解明されるかと期待して読み始めた第5章ですが、カフェや本屋の店員と話をするばかりでなかなか全体像が見えてきません。でも全体で900ページ以上ある本でまだ300ページにもいってないのでしょうがないのかもしれません。

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