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文字数 780文字

 妙だ。
 何故、私に意識が有る?
 私は自分の世界ごと「凍結」された筈だ。
 クソ身勝手な「多元宇宙(マルチバース)の創造主」と、同じ位存在価値が無い、その「信者」どもによって。
「え……えっと……この魔力もほとんど無い雑魚が……敵?」
 そう言ったのは……私そっくりの顔の奴。
 同じ原型から生まれながら、全然違う……何なら正反対の性格となった……そんな感じの奴だ。
「まあ、いいや、さっさと終らせ……ん?」
 何故だ?
 魔法の理屈からして、変なポーズを取らずとも、攻撃魔法は発動出来る筈なのに……何で、この手合いは、攻撃魔法を放つ時に格好付けた構えをするんだ?
 私は身を低くし、スライディングでそいつに急接近。
「えっ? うわっ?」
 途中で掴んだ土と小石を、そいつの顔に投げ付ける。
 助かった。どうやら、こいつは馬鹿のようだが、私の想定内の馬鹿だったようで、下手に強力な物理系攻撃魔法を自分の足下あたりに放つと何が起きるかに気付いてくれたようで、一瞬だけ動きが止まり、目潰しを投げる隙が出来た。
「ぐへっ?」
 立ち上がると同時に股間に蹴りを入れ、よろけた奴の前髪を掴み、喉に思いっ切り拳を叩き込む。
「う……うそ……何で、能力値が全然違う筈なのに……こんなに、あっさり……」
 背後から、更に、私と良く似ているが決定的に違う声。
 顔と一緒で、同じ原型から生まれながら私とは正反対の性格と化した奴が放つ声……そう云う感じがピッタリの声だ。
 しまった。
 気が早かった。
 いや、かろうじて……。
 私は、今、半殺しにした奴の背後に回り、奴の体を盾にする。
 半殺しと言っても、奴の喉の気道を潰しているので……完全に死ぬ前に次の手を思い付く必要が有る。
 あと、人の事をとやかく言えた義理じゃないが……新たな敵が、他の奴ごと私の体を消し去ろうなんて考える外道じゃない事を祈ろう。
 いや、待て。祈るって誰にだ?
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  • 先に言っとくけど、私は人をイラつかせるのが得意なんだ

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  • 異常体(バケモン)には異常体(バケモン)をぶつけんだよッ!!!!

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