それでは、披講に入ります!
じゃん!
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A 近所には[wagahaiha]ってWi-Fiが飛んでてPASSは[nekodearu]じゃない
河瀬ゆう子
B 頁をめくる 音がはばたき 同じソファ どこか遠くに 旅だった君
佐々木禎子
C 剣と魔法の小説に倦みめりめりと畳に夏のからだを起こす
工藤吉生
D 謳歌せよ今は第四間氷期 女子大生の寝ゲロを洗う
藤沢チヒロ
E 鉛筆を肌に突き刺し文学を刻む弱さが憧れだった
秋永真琴
F 読みかけの本とまどろむ永遠に高尚な嘘に依存しているの
マリエンバード
G 去った日の机のうえの読みかけのページの曲がりあなたの指よ
米洗ミノル
H 友人の物語の中サブキャラのわれは夜明けの散歩にさそふ
ほし
I 舞姫をとつとつと読む歌姫のかすかすのこえ欠けているF
みもり
J 頁繰る君の隣で綴る僕 本屋の棚で また出会いたい
東雲飛鶴
K 氷雪を刻んですすむ指先の密かな熱をものがたりゆく
たけうちりうと
L 「また貸せよ?」コツンと返すサリンジャー 中に挟んだメモに気付いて
未知
M この世には 不思議なものがないと言う あなたを想う 我が世のふしぎ
kuu
N ヴァージニア・ウルフを庭に寝そべって読まないヴァージニアも庭もない
泳二
O 兄が出ていって時間を止めた家 電撃文庫の積まれた机
山田航