2013年   冬

文字数 7,675文字

 いっとき落ち込んだ模試の成績は、秋が深まり冬を迎えるころに、元の判定にまで回復した。コンばあが亡くなって以来、どこか疲れた顔をしていることが多かったパパとママは、センター試験前最後の模試の結果を見て、久しぶりに心から安堵したような表情を見せた。十二月の頭に受けたその模試の結果は、これまでの判定の中でもっとも良いものだった。
 キンちゃんはそれからも変わらず毎日散歩に出かけ、私に駄菓子を買ってきてくれた。四十九日が明けるまで、キンちゃんは家の中でも外でもずっと、魔女の格好をし続けていた。それが彼女なりの弔いなのだと気づいたのか、ひそひそと顔をしかめていた町の人たちも、いつしか何も言わなくなった。町の子どもたちは、喪服に厚化粧姿で駄菓子屋に現れるキンちゃんから、生前のコンばあの話をたくさん聞いたという。

 十二月の半ばには、家族そろって、東京に行った。パパのパパであるおじいちゃんの墓を都内の墓地に改葬し、コンばあの四十九日法要を行うため、そして、来年から私たちの新しい家となるマンションを、見に行くためだった。
 東京の霊園は町のそれとは比べものにならないくらいに大きく、右も左もたくさんの墓石でびっしりと埋め尽くされていた。こんな知らない土地の墓に入れられて、コンばあも旦那もたまったもんじゃないだろうねぇ、どうせならあの町で静かに眠りたかっただろうに。コンばあの遺骨が収められた真新しい墓の前で、やりきれないという風に首を振りながら、キンちゃんはそうこぼした。できることならそうしたかったんですけど、あの町だと墓参りにあまりにも不便で。両親には申し訳ないです。重たいため息をまじえながらパパが返すと、キンちゃんは途端にむっと表情をゆがめて、ぴかぴかの墓石を睨みながら吐き捨てた。わかってるさ、そんなこと。しょうがないって、きっとコンばあだって、そう思ってるだろうよ。

 東京は、私が思っていた通り、たくさんの人と建物であふれた、息つく暇もないくらいにせわしい場所だった。
夢にまで見ていた東京だったけれど、寺と霊園、マンション以外の場所では受験勉強にかかりきりだったため、じっくり観光をすることは叶わなかった。それでも、ホテルの窓から行き交う人々とビルの群れを見下ろしているだけで、気持ちが昂り目頭が熱くなるほどの思いだった。新しい家となるかもしれないマンションを内見したときには、来年から本当に東京で暮らすんだというたしかな実感が、胸の奥からせり上がってきた。何がしたいのか、何になりたいのか、まだ、その答えが出たわけじゃない。でも、ここにいればきっと、やりたいと思える何かが見つかるだろう、なりたいと思える何かに出会えるだろう。そんな風に思った。
 町に戻ると、ママたちは少しずつ、家の片付けを始めた。私も、勉強の合間を縫って、段ボール箱に必要なものを詰めたり、いらないものを処分したりと、少しずつ引っ越しの準備を進めていった。年の暮れが近づくころには、居間などの主要な部屋はだいぶ片付き、積み上げられた段ボール箱が、家のそこここで目立つようになった。物が少なくなってすっきりとした家は、今まで以上に古ぼけて見えた。ずっとこんな寂しい家に住んでいたのかと驚くくらい、どの部屋も寒々しいほどに、広く感じられた。


 年が明けた元旦の午後には、サキと二人、魚の目の二階で彼女が作った雑煮を食べた。
部屋のまん中に据えられたこたつの上では、雑煮が入った鍋が熱々と湯気を立てている。私たちはそれを挟むようにして、椀を片手に向かい合い、雑煮を口に運んでいた。毎年の、恒例行事である。
「引っ越し、いつなんだっけ」
 部屋の隅の小さなテレビが正月の特別番組を垂れ流し続ける中、ふと呟かれた彼女の問いに、箸を動かしていた手を止める。口の中のものを飲み込んでから、私は答えた。
「一番早い学校でも二月の始めにはもう入試だから、それよりちょっと前くらいかな」
 言いながら、過ぎる時間の速さに、自分で驚いた。一般入試の会場はどの学校も東京のため、二月の始めに引っ越すことが、すでに決まっていた。卒業式を除けば三学期の登校日は一月いっぱいで終わりなので、ちょうどいいタイミングでもあった。先月東京に行ったと思ったら、来月にはもう引っ越しだなんて。ものが少なくなった我が家の部屋部屋を思い返して、少しだけ寂しい気持ちになる。ため息をついて、出汁を一口飲みこんだ。熱い汁が体の中を滑り落ちていく感覚に、胸の奥がほうっと熱くなる。
「……まあ、引っ越しって言っても、パパは二月の終わりまでこっちで仕事があるらしいから家に残るし、私も卒業式のときにまた帰ってくるけどね。解体工事の前にお祓いするから、家族全員それに立ち会うことにもなってるし」
 私の言葉に、サキは、そっかぁ、とわざとらしくため息をついた。
「あと一か月でカコともお別れかぁ」
「だから、二月の終わりにまた戻ってくるってば」
 わかってるよ、と、サキは眉尻を下げて笑った。でもそのときには、本当にお別れなわけでしょ。静かに響いた言葉に、思わず口をつぐむ。
「ごめんごめん、湿っぽいこと言っちゃって。まあ、さ、寂しいけど、私はカコのこと、応援してるから」
 言いながら、サキは私に、手のひらに乗るくらいの大きさの紙袋を差し出した。
「さっき初詣行って、買ってきたんだ。ちゃんとお願いもしてきたんだよ。カコが合格しますようにって」
 紙袋の中には、お守りが入っていた。赤い錦で作られた袋の表面には、桜の模様と「合格祈願」の文字が、金糸で施されている。
「受験、頑張って」
 やわらかく、やさしい、だけどどこか寂しそうでもある笑みをこぼして、サキは言った。カコは、この町にいちゃ駄目なんだよ。秋の夜、波の音がこだます中で聞いた彼女の言葉が、頭の裏で響く。ありがとう。お守りを強く握りしめながらそう返すと、じわりと胸が熱を上げた。どう? 泣けるでしょ。得意げに言われ、何言ってんの、とため息をつく。本当は、少しだけ泣きそうだった。お守りを紙袋に戻すと、私は誤魔化すように椀を持ち上げ、雑煮を口に運んだ。でも、嬉しいって顔してるよ、カコ。いたずらっぽく笑う彼女の声を無視して、箸を動かす。後を継ぐための修行の成果か、私の気持ちの問題か、それともその両方か。彼女の作った雑煮は、例年に比べてひときわ美味しく胸に沁みて感じられた。


 正月が明けて新学期が始まると、時間は駆けるように過ぎていき、すぐにセンター試験の日がやって来た。
 試験会場には、サキにもらったお守りを持っていった。会場がある大きな町へと向かう電車の中では、緊張した面持ちで単語帳と向き合う同じ歳くらいの人を、何人も目にした。皆、このあたりの町の出身のようだった。別の車両には、ゲンの姿もあった。声をかけようか迷ったけれど、結局、やめた。他の人たちと同じように単語帳をめくりながら、時おりポケットからお守りを取り出し、眺めた。会場までの道のりは、ひどく長いように感じられた。
 試験中は、あまり緊張を感じなかった。家に帰ってから自己採点をしたけれど、大体は実力通りの結果を出せたように思えた。採点結果は、これまでに解いてきた過去問題の点数と、ほとんど変わらなかった。滑り止めとして受けた学校は合格していそうだけれど、第一志望群の合格点には、ぎりぎり届いていないだろうという感触だった。
 私はすぐに気持ちを切り替え、一般受験に向けた勉強に専念した。勉強と言っても、この時期にやれることとなると、ほとんど限られてくる。新しい知識を詰め込むようなことは、あまりしなかった。この勉強が何かの糧になっているのかどうかも、正直、わからなかった。かと言って何もしないわけにもいかないので、来る日も来る日も、受験する学校の過去問題を解き続け、採点をしては合格の基準に達しているかどうか、確認した。
 卒業式前最後の登校日には、担任の先生に激励の言葉をかけられ、背中を力強く叩かれた。担任のみならず、他のクラスの先生や三年間あまり接点がなかったような先生からも、期待してるよ、と応援の言葉を次々にかけられた。さすが学年トップ、わが校の期待の星ってやつ? 隣にいたサキが茶化すように言って、いたずらっぽく笑っていた。一月は、あっという間に過ぎていった。

 私とママとキンちゃんは、二月の頭に東京に引っ越した。
新しい家となるマンションは、どの大学に行くことになったとしても通いやすい場所にあり、さらには、三月から異動になるパパの会社からも、近い距離のところにあった。部屋には大きな家具と段ボール箱がいくつも運び込まれ、ママとキンちゃんは入居するや否や、荷ほどきに取りかかった。
 キンちゃんは、久しぶりの東京に浮き立っているようで、ママの目を盗んで荷物の整理をさぼっては、こっそりとどこかへ出かけて行った。東京に引っ越してきてからも、キンちゃんは毎日、私に駄菓子を買ってきてくれた。知ってるかい、カコ、東京には駄菓子屋なんてもん、そうそうないんだよ。引っ越してきたばかりのころ、キンちゃんは愚痴るようにそう言っていた。彼女はいつも、コンビニの袋からがさごそと駄菓子を取り出すと、はいよ、と私に差し出しながら、むっと唇をゆがめてみせるのだった。私が子どものころは東京もそこかしこに駄菓子屋があったもんだけどね。ひとりごつ彼女の背中は、どこかさびしげに丸まって見えた。
 受験勉強にかかりきりで整理しきれなかったため、私はほとんどの私物を、家に残したままでいた。机と本棚以外はほとんど何もない部屋で、私はキンちゃんがくれる駄菓子を片手に、受験する学校の過去問題を解き続けた。引っ越して一週間が過ぎると最初の試験の日が訪れ、一校、また一校と受けては、帰ってきたその日のうちに机に向かい、次に受ける学校の問題集を開いた。試験は、手ごたえを感じた学校もあれば、そうでない学校もあった。どの会場にも必ずサキからもらったお守りを持っていき、試験が始まる直前には、祈るようにそれを握りしめた。ふいに話をしたくなって、サキに電話やメールをしようか迷ったこともあったけれど、合否がはっきりするまでは控えようと思って、結局やめた。がらんとした部屋で机に向かい続けては初めての土地で人に揉まれ、試験を受けてを繰り返し、東京に来てから数週間が経ったある日に、通知を受けた。
私は、第一志望の学校の史学科に、合格した。


「おかえり」
 町に戻ってきた私を、サキは笑顔で出迎えてくれた。合格、やったじゃん。ありがとう、サキのお守りのおかげかもよ。私たちは、こつん、と互いの肩をぶつけ合うと、小さく笑った。こんなにも長い間サキとはなればなれになるのは、初めてのことだった。ひと月ぶりの再会は、なんだか不思議な感じがした。いつものようにいたずらっぽく笑いかけるサキの顔が、なんだか少しだけ大人びて、変わったように見えた。
 合否の結果が届いてすぐ、私はサキへとメールを打った。彼女からの返信も、すぐに届いた。おめでとう、と打たれた文字の前後を、クラッカーやら桜の花やらの絵文字が、カラフルに彩っていた。高校には、電話で報告をした。先生たちは皆、喜んでいた。いわゆる難関大学と呼ばれるところに合格するのは、私の高校ではなかなかに珍しく、名誉なことらしかった。
 町へと戻ってきたその日、家に残していた私物の整理を、サキは一日中手伝ってくれた。久しぶりに足を踏み入れた我が家は、町に残ったパパとその友達が片付けてくれたおかげで、私の部屋を除けばほとんどすっからかんになっていた。一か月前まではまだ残っていた細かい雑貨やコンばあの遺品も、きれいになくなっていた。明日には解体工事前のお祓いが、明後日の午前中には私の卒業式が控えており、それが終わればすぐに町を発つ予定のため、早めに私物の整理を終わらせなければならなかった。ママとキンちゃんは引っ越しの挨拶回りをするために出かけていて、パパは今日、支社での仕事納めで朝から家を空けていたため、まだ顔を合わせていなかった。家には、私とサキの二人だけだった。
 残しておくものは段ボール箱、そうでないものは別でまとめてごみ袋にと、こまごまとした雑貨類を仕分けている途中、ふと、紙飛行機を見つけた。ちらと見えたアンシャン・レジームの文字に、いつかサキにもらった、世界史のノートをちぎって折られたものだと、すぐにわかった。手に取ってぼんやり眺めていると。なにそれ、とサキに声をかけられた。大したものじゃないよ。咄嗟に返して、紙飛行機を後ろ手に隠した。ふうん。彼女が背を向けたところで、段ボール箱に詰められたものとものの小さな隙間に、その紙飛行機をぽとりと落とした。サキに見られるのは、なんとなく、気恥ずかしかったのだ。そんなの、捨てちゃいなよ。もし見つかっていたら、そんな風に言われていたに、違いなかった。
 少しずつ寂しくなっていく部屋の中で、私たちは離れていた一か月間を埋め合うように、たくさんの話をした。新しい家の話に、受験が終わった後、ママとキンちゃんの案内で東京観光をした話。サキからは、ゲンの話を聞いた。彼も、第一志望の学校に、無事合格したらしい。始めは受験に反対していたおじさんとおばさんも、ゲンの合格を心から喜んでいて、町中で息子の自慢話をしているそうだ。サキは変わらず店の手伝いを頑張っているようで、二月に入ったあたりから一層びしばしとしごかれていると、愚痴っぽくこぼしていた。明日、合格のお祝いしたいから、うち来てよ。ごちそう、作っとくからさ。彼女の言葉に、私は喜んで頷いた。
 ひねもす手を貸してくれたサキのおかげもあって、その日のうちに、大方の整理をつけることができた。部屋が片付いたことを帰って来たパパとママに告げると、二人は心底安堵したように息をついた。お祓いを済ませて荷物を運び出せば、もういつでも解体ができるという状態に、ようやく落ち着いたのだった。
その夜、段ボール箱に囲まれた中央に布団を敷いて寝転がると、私はすっかり寂しくなってしまった自室を、ぐるりと見渡した。ものがないだけで、自分の部屋ではない、どこか知らない場所のような感じがした。だけど、剥き出しの壁に刻まれた子どものころの落書きや、小さな傷が目に入るたびに、ここはたしかに私の部屋なのだという心地にもなって、それがとても、かなしいことのように思えた。天井が何かを訴えるように、時おり軋みを上げていた。かなしい気持ちのまま、目を閉じ、眠りに就いた。

 翌日、坂の上の神社の神主さんによって、お祓いが行われた。がらんとした居間には祭壇が据えられ、私たち家族はその前に座って、神主さんが祝詞を唱えたり、そこらの柱を木槌で叩いたりするのを見守っていた。ものがなくなってお祓いをしてもまだ、生まれたときから住んできた家がなくなるという実感は、うまくわいてはこなかった。我が家が重機で壊されるさまを想像してもみたけれど、あまりぴんとはこなかった。解体工事は、私たちが東京に発った数日後に始まる予定だと、業者の人から伝えられていた。壊されるさまを見なくて済むのは、もしかしたら幸運なことなのかもしれない。そう思った。
 夜には魚の目の二階で、サキが作ってくれた、合格祝いの料理を食べた。和食中心の魚の目で育てられたからだろうか、普段は洋食を作らない彼女にしては珍しく、この日振る舞ってくれたものは、ハンバーグやコーンスープなど、私が想像していた「ごちそう」とはことなるものばかりだった。魚の目の新メニューの開発のために最近は洋食も作るようになったのだと、サキは得意げに言った。ハンバーグもコーンスープも、カコの好物でしょ。夢中になって料理を頬張る私のことを、サキが向かいでいたずらっぽく笑いながら、ずっと見つめていた。食後には、ケーキが振る舞われた。スポンジから焼いて作ったという大きなホールケーキを、贅沢に二等分して、二人で食べた。サキが作った料理は、どれもこれも、いくらでも食べられそうなくらいに、おいしかった。
 夜が更けてくると、布団を出し、部屋の中央に二人分並べて、寝転がった。私たちはそうして、夜通し話し続けた。眠ることは、しなかった。話すべきことは昨日のうちにほとんどしてしまっていたので、どうでもいいような話を、延々と続けていた。それは、明日、卒業式が終わったらもう会えなくなるなんて互いに少しも信じていないような、中身のない会話ばかりだった。
 やがて、真っ暗だった窓の外がぼんやりと白み始めると、私たちは外に出た。そのまま通りを渡り、堤防を越え、砂浜に下りた。早朝の空気は、刺すような冷たさだった。今日からもう三月だというのに、春の温かさはまだ、遠いように思われた。
 砂は、やわらかだった。踏みしめるたびに靴先が埋もれ、歩いてきた方から点々と、なだらかな跡が砂浜に残った。寒いね。うん、寒くて死にそう。言い合いながら、ゆっくりと砂浜を歩いた。
 波打ち際ぎりぎりのところまで来ると、私たちは足を止めた。そのまま、二人並んで、海を見た。寒い。寒すぎだよ。眺めながら、また、言い合った。何か、胸の奥にわだかまっている言いたい言葉を誤魔化すみたいに、私たちはしばらくの間、出まかせの会話を続けていた。やがてそれも途切れると、あたりには波の音以外には何も聞こえない、深い沈黙が降りた。目を閉じると波にさらわれたような心地になって、すぐ隣にいるはずのサキの気配が、突然、ぐっと遠のいた感じがした。
「また、戻ってくるよ」
 呟いた言葉に、彼女は何も応えなかった。海を見つめながら、私は続けた。
「大人になったら、きっとまた、この町に戻ってくるよ。そのときにはさ、きっと、お金もいっぱい貯まってて、自分の車も持ってたりして、行きたいとこ、どこにでも行けるようになってると思うから。私、サキのこと、迎えに来るよ。だから、二人でいろんなところに行こう。ドライブして、海外にも行って、いろんなもの食べて、二人で、なんだってしよう」
 海は静かだったけれど、波の音は大きかった。遠くの方で、漁に出かけたらしい船の姿が、ちらほらと見えた。打ち寄せてはまた引いていく波が、すぐ足下で、小さなしぶきを上げている。はっきりしない色に薄く白んだ空には、まだ星が光っていた。
 サキは、いつかにも見せた困ったような笑みを小さくこぼすと、カコ、と私の名前を呼んだ。
「偉くなってよ。こんな町のことなんて、忘れちゃうくらいにさ」
 昇り始めたばかりの陽が、黒々と海を輝かせた。サキ。呟いた声は、波の音にさらわれて、届かない。夜が、明けていく。冷えた手と手をつないで、私たちは海を見た。特別きれいなわけでもなんでもないその姿をまなうらに焼き付けるようにして、私たちは長い間、夜明けの海を眺め続けた。
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