自由な女

文字数 918文字

 私は、自由な女だ。と言っても、遊び人と言う訳ではない。縛られるのが嫌なのだ。
 特に常識とか、女としての礼儀とか、生き方とか。 私は自由が好きなのだ。
 女は自由なのに何故に人は縛られるのだろう?社会常識と言うものに。

 私は20代前半、年なんかどうでも良い。
結婚なんて考えた事もない。
私は毎日が楽しければ良いのだ。
私の父は会社の社長、かなり大きな会社だ。
私はそこの一人娘。何不自由なく育てられた。
 仕事もしたことがない、必要が無い程、裕福なのだから。

 傍から見れば、遊び歩く放蕩お嬢さんに見えただろう。だけど何故それがいけない?母も父も、その事に何も触れないし、犯罪を犯したり人に迷惑をかけなければ問題無いのでは。
私は自由なのだから。

 私は日々、悪仲間達と遊んでいた。クラブやカラオケ居酒屋、イタリアン、フレンチもたまに。洋服を買ったり、買ってあげたり。
 私の仲間は、私の財産目当てのタカリ屋だ。
でも、楽しい場所を沢山知っていて、退屈はさせてくれない。 

 私は自由な女。格好だって、可愛らしい服を着ている。白いショートパンツにTシャツ、
そして、ちょっと派手目のブランドのジャケットを羽織っている。
 道行くサラリーマンが私の脚に釘付けだ。
いやらしい目付き。そんなに私が欲しいのか?
 私はその好奇の目が嬉しい時と、うざい時があった。

 そんなある日、私は悪仲間とつるまず、1人で街に出ていた。サラリーマンの多い時間だ。
 コンビニのベンチに腰掛けて、新商品のソフトクリームを舐めていると。ナンパしてくる、アホなサラリーマンや、若いチンピラ達が声をかけてきていた。私は首を横に振るだけだった。ちぇっ、と言って誰もが通り過ぎていった。 無理矢理、誘う強引な男は居ないのか?
まったく、ガッカリな連中ばかりだった。

 と、目の前に髪の毛を七三に分けた、今時、こんなサラリーマンがいるの?と言う、真面目そうな若い男が私を上から下まで見ていた。
私は睨み返した。
すると、さっさとコンビニに入っていった。
 やらしい男だ!真面目そうな奴に限って、
変態な野郎が多い。
私はため息をつき、道行く人を眺めていると。
 さっきのサラリーマンが買い物を終えて、
私の前にやって来た。
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