8頁、雷に打たれた!の?
文字数 554文字
そんなある日、家政婦さんも帰って、子供と二人で家に居るときに。
彼が突然、濡れネズミの様に濡れて帰ってきた。確かに外は雨だったが。
私は血相を変えた彼に驚いてしまった。
確か今日は、部会だとか言って遅くなるとか言っていた様な。まだ夜の8時なのに。彼に、
「どうしたの?」
と聞くと。彼は私の渡すバスタオルで体を拭きながら。
「希はいるか?寝てるか?」
と聞いたのだ。私は、
「当たり前でしょ」
と答えると。彼は希の寝ている部屋へと行くと、薄暗く電気を点けて希の顔を覗き込んでいた。私は何かするつもりでは、と一瞬恐怖が走ったが。彼は振り返ると、
「可愛いな」
と一言、言って再び見続けた。
私は一体何があったのだろうと、彼の行動がまるで理解できないでいた。
それからの彼は変わった。あの日、雷にでも打たれたのであろうか?
それとも別の人物に成り代わったのだろうか?
或いは何かの企みなのだろうか?
彼は毎日、早く帰ってきて娘を見続け、世話を焼いた。娘も喜んでいた。
私はこの男の豹変に、ただ驚くだけだった。
✳ ✳ ✳ ✳
あれから30年。私は54才になっていた。
長女は結婚し、子供を産んだ。初ひ孫に父と母は大喜びだった。
そしてさっき、二人目が出来たと私に連絡があった。
私は54才で、二人の孫を持つお婆さんに、されてしまった。
彼が突然、濡れネズミの様に濡れて帰ってきた。確かに外は雨だったが。
私は血相を変えた彼に驚いてしまった。
確か今日は、部会だとか言って遅くなるとか言っていた様な。まだ夜の8時なのに。彼に、
「どうしたの?」
と聞くと。彼は私の渡すバスタオルで体を拭きながら。
「希はいるか?寝てるか?」
と聞いたのだ。私は、
「当たり前でしょ」
と答えると。彼は希の寝ている部屋へと行くと、薄暗く電気を点けて希の顔を覗き込んでいた。私は何かするつもりでは、と一瞬恐怖が走ったが。彼は振り返ると、
「可愛いな」
と一言、言って再び見続けた。
私は一体何があったのだろうと、彼の行動がまるで理解できないでいた。
それからの彼は変わった。あの日、雷にでも打たれたのであろうか?
それとも別の人物に成り代わったのだろうか?
或いは何かの企みなのだろうか?
彼は毎日、早く帰ってきて娘を見続け、世話を焼いた。娘も喜んでいた。
私はこの男の豹変に、ただ驚くだけだった。
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あれから30年。私は54才になっていた。
長女は結婚し、子供を産んだ。初ひ孫に父と母は大喜びだった。
そしてさっき、二人目が出来たと私に連絡があった。
私は54才で、二人の孫を持つお婆さんに、されてしまった。