第11話 内藤さん?

文字数 7,964文字

新キャラが登場するよ♪

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「あの言葉……私、連響錯覚って聞いた事あるのよ」

「今話したからな」

「違うの。もっと前ね」

「え?」

「ネズニってのが言ってたの! 私を口喧嘩で負かした時に……思い出すだけでも忌々しいわ……この私様(わたくしさま)の行く先々でただ一度の は い ぼ く ゴミの様なネズミに神が破れたのだ! 小説オリジナルの言葉なのに、元々この世界に存在している常識の様にしたり顔で教えてたわ。
許せねえ……目玉をへし折らなきゃ……生き返る理由がまた増えちゃったw目玉洗って待ってろよ? ネズニ……」
3話に登場した彼であろう。



「アリサちゃん程の人でも口喧嘩で負けるのか? で、でも神? アリサちゃんって神なのか? 確かに神裔Ⅳだが神ではないよな……い、いやまさかそのセリフ……聞いた事あるぞ……あっ! ロマサカ1のサノレーイソか? 目玉をへし折……? どうしたんだい……アリサちゃん? 戻って来て下さい……」

「正気よ。生き返ったら殴った後にへし折らないと。他にはある?」

「物騒だなあ……お次はこれかな? 俺の担当する仕事が少ないので少々まったりと仕事していた時があった」

「うん」

「そしたらわざわざ関数電卓まで持ってきて、回転速度を一から計算して

『変だなあ? この材質ならこの回転数じゃないとおかしいだろ?』 

と説教垂れやがった」

「それっておかしい事なの? 一見普通に奴の意見が正しい気が……」

「いやいやwそんな常識分かってるんだよ! 何年やってると思ってんだw仕事が少ないからあまり早く終わらせねえ様にわざとやっていただけ。早すぎると他の社員の仕事も奪う事になっちまうからな。それは前のリーダーもやっていた事。言葉にはしなかったが明らかに忙しい時と比べて回転速度が低かった。そこで察した。
ああ、こういうのもありなんだな……ってな。それを俺も忙しくねえ時にやっただけ。そう、優しさでゆっくりやってたんだ。当然奴もそんな事分かっている筈なのに、それでも俺を説教するチャンスと寄ってきた。もし早く仕事をやり過ぎて仕事が無くなったら大勢が困るし、仕事が無くなりゃまたバイトだけ謹慎食らうしよ」

「ああ……週休4日の刑よね……」
職人にとって休みとは苦痛と言えるのだろうな。

「ああ、またあれを味わうのだけは絶対に嫌だからな。終わりそうになったら低速モードに変更する。だが、奴はそんな俺に気付き寄って来る。奴が俺に用事がある時は……」

「説教と決まっている。褒められた事ないもんね」

「ああ、

『やった! 鈴木説教タイムだ!』 

と嬉しそうに来るんだ。一度でも褒めてくれればこの人の為に頑張るぜってなるが、そういう気持ちに永遠にさせてくれない」

「そういう事か……どこまで落ちれば気が済むのよ……ホント嫌い……何で殺さなかったの? 普通殺すよ? 泣いて謝っていても容赦なくさあ」
その通りだな……ぬ? ホント嫌いの所に同意しただけであるぞ? 普通殺すよ? の所には一切同意していないからな?

「いやいやww大人はな、我慢しなきゃいけない場面もある。感情的になったら悪化する」

「う……でも、普通少しは褒めようと考えるよね。社員じゃないとしても褒めて伸ばせれば頑張ってくれるって考えが……」

「この点が俺だけやはり特別扱いされていると感じる根拠だな」

「うう……」

「どうした? ギブアップか? まだまだまだあるんだけどよ」

「ま、まだまだまだ? 嘘だろ? 信じられない……でも、聞くよ」
アリサは今、自分が不慮の事故で死んだ悲劇のヒロインだと言う事を一切思ってない。鈴木の話を親身になって正座をして聞いているただの小5の女の子だ。

「へえ。強いな……じゃあ行くぜ! 奴の父親、現在会長となっている人の時は一度も無かった事で、奴の代から始まった事なんだが、社員のみで集まる会議ってのを開催し始めた。週一回位かな? 参加出来ないのは男では俺一人と、パートの数名だけでほとんどの社員は俺が仕事をしている間、社長の下らん話を聞いて仕事をさぼっている状態。本当に時間の無駄だと感じたな。オマケに凄い疎外感を感じたぜ」

「……」

「お次は……あれかな? 終業の……」

「ねえ」

「ん?」

「何でそんな爽やかな顔で自分の過去の苦しい話が出来るのよ?」
そう、今まで鈴木はこのえぐい内容の思い出を話す時も、爽やかなスポーツ選手の様な表情で話していたのだ。確かにアリサに言え! と、半ば強制で話させられた訳だが、今はそんな様子は一切無く、それどころか積極的に話そうとしている。

「何でかなあ……今まで一人で抱え込んで来た事だからかなあ。それを第三者に聞いて貰えてる。これって結構嬉しい事だぜ?」

「そう……」

「どこまで話した? ええと……ああ、終業のベルが鳴ったので手を洗おうと手洗い場のドアを開けようとした時、約3m離れた所で奴と目が合った。大嫌いだったのですぐに逸らしたが、その直後、悪魔の様な笑い声が聞こえたので再び奴を見た。そしたら悪魔の様な顔で俺を見て笑っていた。

『はははははw』

って笑ってた」

「どういう事?」

「奴に直接聞いて見なければ分からん。だが可愛い従業員に向けた微笑みではなく、まるで人をゴミの様に見下している感じの笑いだった」

「救い様がないね」

「そうなんだ。だが、それらの悪行は俺だけにやっている事なので、好きな従業員に対しては優しいし、新しい工具や車付きの引き出しなんかも買ってあげる。俺が長い事使っていて寿命が来た工具をリピートしてくれと言った時は苦虫を噛み潰した様な顔で持ってくるってのにな。まあ外面はいいので人気がある訳だ」

「完全なる銅鑼衛門の脛男(すねお)系の悪人ね。私だったら何が何でもありとあらゆる手段を用いて殺してる」
アリサ? ヒロインなんだよ? ありとあらゆる手段を用いて殺人を行ってるアリサを想像させる様な言い回しだけはやめてね?

「次は、昼礼の時の話だ。会長が社長の時は全て一人でやっていた。だが奴は三交代制でやる様にした。毎週代わるんだ。昼礼をする司会が。で、頭が悪いので先週誰がやったか分からない。なので、

『誰だ?』

と言い、ニコニコ笑いながら辺りを見回す。誰も分からず思い出すのに時間が掛かる。毎回だ、それさえなければもっと早く始められるのにもたついている」

「無能、クズ、カス、失敗作、不良品、粗大ゴミ、生ゴミ」

「言い過ぎだってwじゃあ次は奴の奇行について言うか」
ぬ?

「は? 今までの行動全部奇行よw」

「確かにwでも今までのは俺に対する嫌がらせと言う明確な目的があった」

「でも、ムカデを潰した事だって奇行じゃん」

「ああ、あれは俺に逆らうとこうなるんだぞ! と言う威圧を掛けただけ。間違いなく意味がある行動だった。奇行ではない。実際それを見て恐怖し、逆らえんかったからな」

「ああ、そう言う事か……でも、そんな事の為にムカデ君は……」

「許せねえよな……だが、これから言う事はどう考えても奇行としか言えない。狂ってる」

「まじ?」

「ああ、俺にも後輩がいた。内藤春斗(ないとうはると)と言う老人だ」

「その爺さんが社長と関係が? 奴の奇行って言ってたよ?」

「まあ最後まで聞けば分かる。俺が辞める6年前に奴が社員として認めた男だ。アルバイトとかじゃなく社員。
俺より身分が上って事」

「後から来たのに抜かれちゃったって感じか」

「だがその男、年老いている事もあり、仕事が遅い。そして、歯が黄色い。歯茎にコーンが刺さっている位鮮やかな黄色さだ。で、うちの会社はISO9001という国際規格を取得している」

「何それ? ちょっと! 話を広げ過ぎないでね? 流石に覚えられないよ?」
固い事を言うでない! 際限なく広げよう!

「必要最小限を話しているつもりだが……これを説明する必要はどうしても出てきちまう。まあ、それを持っていると年始の新聞に、その資格を持っている企業の名前が並び、それを見た客がうちの製品を買ってくれるかもしれないという事」

「良い事じゃない」

「ただ面倒なのは毎年更新がある。免許の更新みたいな物かな? 俺はチャリ通だったからよう分からんけどな」

「冬も自転車なのね」

「そうだぜ! 土砂降りだろうが向かい風だろうが負けず仕事へ向かう! 内藤はそんな物関係ない。車通勤だからな。通勤スタイルも楽な方に流れていくから心も体も堕落していくんだ。おっと話がそれたなw えっと……ああそうだ、恐らく試験とは違うが、毎年一回外部から来た監査官の見回りチェックをパスしなければ剝奪される訳だ」

「へえ。それだけ面倒だからお客さんも新聞に名前が載っている企業を優先して選ぶ訳ね?」

「そう。で、その資格を取る際に、これから加工する時に見る設計図みたいな物。図面って言うんだけど、その裏に自分がやった仕事は何時間かかったかどうか等を記入する項目が追加されたんだ。本来白紙だったんだぜ? そこにわざわざその項目を書くスペースを印刷して全ての仕事後に記入する義務が生じた」

「全作業に? 面倒ね」

「そう。それを全てパソコンに日付順に記録して、いつでも閲覧可能な状態にする訳だ。勿論監査官も見る事が出来る」

「ちゃんとやっているかを常にチェックされてる訳ね」

「おう。ところが内藤はその時間の部分を誤魔化した」

「え?」

「本来7時間掛かった仕事を、2時間で終わったと書いて提出しちまったんだ」
ほう、5時間か……!

「え? どうして? それまずいんじゃ?」

「まずいと思う。理由は書類内では2時間。でも、実際は7時間掛かってる訳だ。その日は8時間労働したのでタイムカードで、8時間働いたと言う事が既に証明されている」

「そうね」

「だとすると2時間で終わったら、他に6時間分その日は何か別の仕事をしていなくてはならない。しかし実際は7時間一つの品物に費やしたからある筈がない」

「確かに……」

「それを監査官に指摘されたら捏造している事がばれてしまう危険性がある」

「成程ね……」

「で、内藤に直接聞く事も躊躇った。で、想像で話すが、奴は仕事が出来ない上に頭が悪く、それを認める事が出来ない頑固でプライドが高い男。だから自分で何とかしようとしたんだ。先輩にすぐ聞いて始めれば良かった物を、一人で解決してみせると頑張った結果、俺が1時間ちょいで出来る作業を7時間かけて終わらせたんだ。まあ実際は図面を正確に読み取れても加工出来ない意地悪な品物だったんだけどな。これは内藤も運が悪かったw」

「どういう図面よ……」

「図面通り加工すると、ドリルを固定するチャックって物があるんだが、それが品物に引っかかって穴が開けられない様になってやがったんだww設計者は加工者の気持ちにはなり切れないって事。加工する側で生じる問題点まで想定し、製図出来んかったって事」

「そうなのね」(専門用語多すぎて分からない。これ、知ったかぶりよね……でも別にそこまで知りたい内容じゃないしこのままでいいか……)

「結局井村っていう経験者に頼って終わらせたんだがなwすぐ傍で見ていた俺には聞く勇気が無かったんだwでも、実際に掛かった時間を書くのは恥ずかしいという事で、5時間も誤魔化した。8時間中5時間だ」

「社長並みに最低ね……」

「奴に比べりゃ可愛いもんよ。で、これ一回きりだと思い、軽い気持ちで泳がせてた」

「へえ、まあ急に止めろよって言い出しずらいよね」

「そうだ。俺も俺で勝手に図面を盗み見てしまった負い目もあり、その当時はまだ一回しか捏造していなかったし言いずらかったって言うのもある。まあ仮に言う勇気があったとしても、バイトが突然そんな事言い始めても信じないだろうし、すぐに止めてくれると軽い気持ちで考えていたな。
で、誰にも言わず、毎回奴の図面の裏をチェックし続けた。時間を書いてある部分をな。毎回捏造されていた訳だが、その間も奴はまるで普通の人の様にしてたぜ? 全く自分が現在進行形でやっている事に対して罪の意識を感じられなかった。
で、結局、いつ終わったと思う?」

「1か月後とか?」

「終わらなかった」

「ちょww」

「俺が止めた。報告書を提出して。で、そのタイミングで止めてくれたが、1年と4か月掛かった。休みを抜いても350日。一日仮に平均2時間で考えても700時間だ」
人とはここまで醜くなれるのか……

「えええ?」

「1年過ぎたら言おうと決めていたが、いざ報告しようと思った時、方法が分からなかった。でも言わなきゃいけないよな? で、必死に考えた。その結果、毎年2月に書く、自分の課の悩みとかを書いて提出する用紙に書く事にしたんだ。だがその用紙が来るのが少し遅れてな、3月になっちまった。結局その間も捏造は続いてしまった為、1年で止める事は出来ず4か月も伸びちまった。その紙にこんな風に書いたんだ。……はあっ!



再び手の中から記憶を記したブロックが出てくる。

「え? 虫食いあるよ?」

「うむ、これでは読めんな。じゃあ、ここを強く念じ……」
ポン
虫食い部分を触れると……


「あっ? 文字が出て来た!」

「ここは確か……」
ポンポンポンポンポンポン

「良し」



「全部出てきた……思い出しながら触ると修正出来るって事なの? すご! 何々? へえ」

「こんな内容だ。これを見た内藤は時間を誤魔化さなくなった」

「結局自身では止められなかったって事ね……」

「そうだ。まず間違いなく報告しなければ永遠にやってただろう。だが俺の用紙を見た後は遅いけれど正しい時間を書いてくれる様になった」

「結構字が汚いねw」

「ああ、でもな? こんな狭いスペースに奴の行った1年4か月の功績全てを書くのは苦労した、この薄いマス目に収めるだけでもな。普通に書いたら4行くらいしか書けねえんだもんよ」

「た、確かに……」

「これで誤魔化す事は無いと安心したんだ」

「で、でも」

「ん?」

「そいつが700時間誤魔化した事実は誰にも伝わっていないって事でしょ?」

「そうだな」

「それで良かったの?」

「ああ。所詮アルバイトの俺が、社員の悪事を言い出した所で信じても貰えないだろうし、引っ込み思案ってのもあったからじじいが素直に止めてくれたって言う事実だけで満足していたのかも知れねえ」

「何か釈然としないなあ」

「ところがだ」

「え?」

「まずい事に気付いたんだ……報告した日は2009年3月半ばで、半年位はその事を考えてなかった。だが毎年秋には監査官が来るって言う事を思い出し、その気持ちが変わったんだ」

「そうか……毎年来るんだっけ? 奴の捏造データはパソコンに入ってる。で、鈴木さんの紙を見てからは更生し止めてしまったから、以降の半年は正確な……要するに遅い時間を書き続けている」

「そう。だが2007年の12月から2009年の3月間の1年4か月分のデータは、奴が誤魔化しを続けていたデータだ。それがしっかりとPC内に残っている。だから3月以前のデータと、誤魔化しを止めた2009年の3月から9月までのデータを続けて見られたら、その違和感に監査官は気付いてしまう可能性が」

「どうなるの?」

「厳重注意で済むかもしれんが長さが長さ。恐らくISOは剥奪されるだろう。高い金を払って先生も呼んで会社の従業員が一丸となって取得した国際規格を一匹の腐りかけに無かった事にされちまうかも知れねえって事だ」

「腐りかけww」

「姿も醜いぜ? 姿はこんな感じだなうおお! 横向きの内藤! 真正面の内藤! 寝てる内藤! 暗闇での内藤!」
ごとっごとっごとごと
幾つかのブロックが落ちてくる。それを重ねる



「こいつだ」

「いつ見てもすごいわ……これが内藤? 強烈……面の皮厚そうね。こいつ確か春斗でしょ? かっこよすぎる……名前だけ……春斗だけは名乗っちゃいけない系男子よ」

「かっこいい名前も名乗る事すら許されないのか……」

「真剣に駄目だと思う」

「ああ、そうだな。でな? 顔はしわくちゃで肛門みたいなんだ」

「確かに……」

「で大掃除の時。大風が吹いて、ひっくり返った」

「え? この塊が?」

「塊wそう、風で機械間に挟む鉄製の大きい衝立が倒れ、それに巻き込まれて倒れた。で、先に鉄製の台があって、角に顔をぶつけたんだ」

「どう思った?」

「ありがとうって思った」

「感謝w」

「当たり前だよ。大っ嫌いだから。本心から嬉しいと思った。だが……」

「無傷なの?」

「ああ」

「嘘でしょ? 鉄の台で?」

「そう。本当に驚いた……物理的にも厚いが、内面も分厚い。いわゆる水陸両用の顔だ」

「どういう顔ww」

「多分あの顔を見た誰かが厚顔無恥という言葉を発明したんだと思う」

「誰ww」

「しかしこれから説明するが本当に厚顔無恥な奴なんだ」

「へえ……あれ? なんかこいつ女優に似てない?」

「じょ、女優? 誰だよ!」

「市原恵津子よ。

【家政婦は居た】

の」

「え? 似てるか? よし、出してみるか……うおお」
出した2つのブロックを近付ける。


「ね? そっくりでしょ?」

「確かに……すげえなあ一瞬で思い付いたって事だろ?」

「うん、それもあるけど……あれ? もっと似てるのが居たわw」

「まだあるのか?」

「武器屋トネルコの40年後」

「言われて見ればwこんな感じか? うおおお」
ごとっ



「やっぱり似てるw悪徳商法得意そうw」
鈴木がブロックを出せると知るや否や面白がって色々出させているな。あまり酷使すると疲れてしまうやもしれぬぞ?

「でもこいつの胸にあるのは会社のロゴ?」

「そうだ」




「うーん、赤字でKを強調しているの嫌」

「え?」

「なんか血を連想させる色だし、苦手」

「考えすぎ!!」

「あれ? ロゴの下に何か書いてあるね……英語ね……テクノロジーフォーザフューチャーと、イノベーションフォーザピープル? うーん直訳すると……未来のためのテクノロジー、人々の為のイノベーション?」

「おお! すぐに訳した! 英語も出来るのか? すげえ……しかしそんなのが下に書いてあったのか……よく見てるなあ」

「すぐに気づいたよ? だけど薄っぺらい響きねえ……これは奴が考えたのかしらね?」

「多分な」

「間違いないね……しかしこいつ……口は閉じてるけど歯が黄色そうな男ね」

「顔も醜……おっと肛門だった。肛門も醜いが、心も醜い。そして息が臭い」
鈴木よ……顔をわざわざ言い直さないでほしいのだが……

「滲み出てる。そして、年老いていて能力が低そう。後、くさそう」

「こいつ普段はマスクをしてんだが、話し掛ける時は顎にマスクをずらして顔……おっと肛門を見せて来るんだ。近距離で視る奴の肛門はおぞましいぜ?」
意味が違ってくるよ。

「それは自分の口臭がマスク内で跳ね返ってくるのが嫌だからだろうね……スカンクでも自分のガスで苦しむ事は無いのに、奴は自分の口臭すら耐えられないって事なのよ。絶命するのよ」

「wwwそれで俺はこんな奴をのさばらせておきたくないから会社宛てに手紙を書いた。上手く言葉で表せなかったし長い事喋るのは苦痛だからな」

「さっき言ってた手紙? いじめられる原因になった」

「ああ、本当なら墓まで持っていくつもりだったがどうしても黙っている事は出来なかった……で、しっかりと伝えたいから頑張って書いたんだぜ? 内容を思い出してみるぜ!」

「出来るの?」

「大して長くねえしな。で、今から思い出すのは既に前に1通出したんだが、返事が貰えなかった為、追加で書いた手紙だ。よし! 内容を出すぜ! はああ……」
そう言いつつ気合を込める。
ごとごと……
すると、大量の文字が記されたブロックが鈴木の手の間から現れては床に落ちていく……

「何度見てもすごーい。魔法みたい!」

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