第8話 さばくの大ヘビ

文字数 859文字

 しばらく歩いていくと、また分かれ道へと出ました。
 さばくへの道と、街への道です。

「どっちに行こうか」

 ルルがいうと、カミュは答えました。

「さばくへ行こう。街よりもさばくの方がふしぎなものがありそうだから」

 カミュが人さしゆびをたてていいます。
 ルルとカミュとふしぎな石の精は、さばくへの道を進むことにしました。

 道のさきに、今度はいちめんの砂の世界がひろがっていました。
 風がつくった砂のもようが、おもしろいかたちになっています。
 そのもようをみて、ルルは声をあげました。

「さばくはやっぱりふしぎな世界なのね」
「そうだね」 

 しかし、さばくはふしぎな世界ですが、砂ばかりでなにもないところでした。

「なんだかお腹が空いてきたわ」

 ルルのお腹がグーとなりました。
 
「そうだね、ぼくもだ」

 それに合わせて、カミュのお腹もグーグーとなりました。
 ふしぎな石の精がルルたちを見ます。

「お弁当をもってきたんでしょう? おれはお腹がすかないから、二人はたべればいい」

 ルルはお弁当のことを思い出して、嬉しそうに胸のまえで手をうちます。 

「そうだった、カミュのリュックに私の作ったサンドイッチと果物があるわ。水筒ももってきたからお茶もあるわよ」

 カミュは目をキラキラさせました。

「よし、食べよう!」

 ルルたちはさばくにピンク色の敷物を敷いて、お弁当をひろげました。

「おいしそうだなー!」
「めしあがれ」

 ルルとカミュはお弁当を食べ始めます。
 二人がおいしそうに食べるようすを、ふしぎな石の精はにこにこしながら見ていました。

 おいしいお弁当を食べていると――

 ルルたちのしらないところで大きなへびが、お弁当とルルたちを狙っていました。
 みどりと青が入りまじった色をした、大きな大きなヘビです。
 ルルなんて一飲みにされてしまいそうな。

 大きなへびは、お弁当のにおいにつられてやってきたのです。

「おいしそうなお弁当と、にんげんがいるなあ」

 ヘビはゆっくりとルルたちにせまってきました。
 ルルもカミュもふしぎな石の精も、ぜったいぜつめいです!


ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み