第9話 さばくの砂の精

文字数 684文字

 ルルはヘビがおべんとうと自分たちを狙っているのを見て、大きな声をあげました。

「誰か、たすけて―!」

 すると全身が砂色の、砂の精が現れました。

「わしが助けてやる!」

 砂の精は、大きなヤリで、くねくねとせまってくるヘビをつつきます。
 ヘビはそれをうまくかわして、砂の精に牙をむきました。

「シャー」

 ヘビは大きな口を開けて鳴きました。砂の精をひとのみにしそうです。
 砂の精はヘビに負けそうです。
 ヘビが砂の精におそいかかろうとしたとき。
 カミュがすかさず足元の砂をつかんでヘビの目にぶつけました。

「ギャー」

 ヘビは痛くてのたうちまわります。
 そのすきに、砂の精はヘビをヤリでつつき、やっつけてくれました。

「君がたすけてくれたから、勝てたよ」
「へへっ」

 カミュはてれて笑いました。

 ヘビがいなくなってほっとしたルルは、砂の精にお礼をいいました。

「助けてくれてありがとうございました。あのままだったら、私たちもおべんとうと一緒にヘビに食べられてしまったわ」

「いやいや、無事でなよりだ。ところで、どうしてヘビのすみかを歩いていたんだ?」

 砂の精がふしぎそうにルルたちにききました。
 このさばくは大きなヘビのすみかだったようです。
 

「ふしぎな石の精が青い石を探しているからです。さばくにあるんじゃないかと思って、来たんです」

 すると、ふしぎな石の精は砂の精にあいさつをしました。

「おれはふしぎな石の精。ルルがいったように青い石をさがしているんだ。大事な人に関わるものだから、集めている。砂の精よ、青い石のことを知りませんか?」

 ふしぎな石の精が聞くと、砂の精はにこりと笑いました。
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