第10話 腰飾り

文字数 467文字

「知っているよ。それはこれかな」

 砂の精は、自分の腰に下げている飾りをふしぎな石の精にみせました。
 それは、小さな、青い石のついた飾りです。
 きらきらと光っていて、きれいでした。

「それをおれにゆずっていただけませんか?」

 すると、砂の精は考え込みました。

「これは、わしのお気に入りの腰飾りなんだ。そうだな……何かと交換ならばいい」

 ふしぎな石の精は、また、首飾りからふしぎな石をひとつぬきました。
 ふしぎな石はみどり色に光って輝いています。

 その石を砂の精にわたしました。

「この石と交換してほしい。この石は、色が変わるふしぎな石だから」

 砂の精は、ふしぎな石を手に取ると、「ほう」と言って、ためつすがめつ眺めました。

「色が変わるのか。よし、いいぞ。交換しよう」

 砂の精はふしぎな石を手に取り、青い石をふしぎな石の精の手にのせました。

「こんどはこの石を腰の飾りにつかおう。ではな。これからも気を付けていくんだぞ」

 砂の精はよろこんで、さっていきました。

 ふしぎな石の精は、また青い石を手に入れました。
 これで、青い石は三つになりました。
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