(一)

文字数 271文字

 エイブラムス・アイアンズ曹長のパンチは重かった。
 こちらの予想を上回るスピードと連続技のおかげで俺は防御に徹せざるを得ず、気がついた時には奴の右拳が俺の頬に直撃していた。
 衝撃で揺さぶられた結果、脳震盪を起こし、俺はなすすべもなくその場に倒れてしまったらしい。格闘戦技については教官もしたことがある俺が、まるで入隊三日目のヒヨッ子新兵のように伸されてしまうとは思いもしなかった。
 もちろん相手も手練れだということはよく分かっていた。具体的な所属は教えられなかったが、アメリカ海軍特殊部隊の隊員だ。格闘戦にももちろん長じているはずだ。

(続く)
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